飃の啼く…第7章-2
「っふ…あ、ね、ちょっと、見回りの人、来ちゃ…ょ…」
「来るなら来い。」
「っばか・・・ぁ」
「…ふぇ・・・?」
急に飃が体を離した。どうしたの?という眼で見ると、窓の外を目で指した。駅に着いたのだ。ここで降りるわけではないけど、人が乗ってくるかもしれない。
山の中の鄙(ひな)びた駅だ。良いな、こういうの、嫌いじゃない。でも…。
私の下腹部は、素直に反応してしまって、このままじゃおさまりが付きそうに無い。それを見て取ったのか、向かい側で飃がニヤニヤ笑いを浮かべている。彼は私の手を取って
「おいで。」
それがいつになく…ええと…セクシーな声だったので、私は素直に従ってしまう。
飃の両足の上にまたがって、電車が揺れるたびに、こすれて…息が荒くなるのをとめられない。
「気がついているか?」
キスの合間に、飃が聞いてきた。
「え…?」
「初めて逢った時より、随分いやらしくなってるぞ。」
「…っ!そんなこと、ないも…ひぅっ」
「こんなに濡れているのにか?」
スカートの中に手を入れて、さらにその奥へと指を伸ばす。
「ゃ…言わないでょぅ…」
恥ずかしくなって、飃の方に顔をうずめる。それで少し腰が浮いたのをいいことに、もっと奥にまで指を入れてきた。
「っは…ぅ…飃ぃ…だめぇ…」
「何が駄目なんだ?」
おまけに、耳元で囁くものだから、もう制御を失ってしまう。
「我慢できなくなっちゃぅょぉ…」
「しなくていい。」
電車の小刻みなゆれが、余計に私を刺激して、抑えようにも抑えられない声を上げてしまう。
「ふぁっ、ぁ、っ…ぁぅっ…」
体中に、電流が走る。それで居て、今自分たちがどういう状況にあるのかをふっと思い出す。誰も居ない電車の中で、一つになって、声をこらえながら何をしているのかを。