きっと、そう〜気持ち〜-1
「う〜・・・。」
さっきから聞こえるこの妙な声。
朝の教室でみんなが賑わう中、その声は何度も聞こえてくる。
「う〜ん・・・あ゛ー。」
隣の席に座っている親友の美央は、パチンて音を立てて携帯を閉じた。
「癒芽!!あんたさっきからなに?!言えば良いでしょ?」
そう。声の出処は癒芽。
机に伏せた顔の角度を何度も変える。
「だって・・・。」
口を尖らせて美央を見る。
「あたし、自意識過剰なんだもん!!」
「・・・・・は?」
このやりとりの後、癒芽は美央に全て話した。
すると美央はあっさりと
「よかったじゃない。」
と。
まわりから見たら簡単なものなのだろうが、癒芽はそうはいかない。
好きな人に呼び出されて、告白じゃなかった時のショックは大きいだろう。
結局1日悩みっぱなし。
授業なんて頭に入るはずもなく、ほとんど机に突っ伏していた。
なぜこういう時に限って、時間の流れが早いのだろう。
生徒はほとんど帰ってしまった。
美央は「うまくいくと良いね。」と、ウィンクをして帰っていった。
「他人事だからって・・・。」
もし違う話だったら、相当恥ずかしいことになる。
でも
もし悠哉の話が違う事でも
癒芽は言うつもりだ。
『好き』と。