きっと、そう〜気持ち〜-4
「癒芽、何で泣いてんだよ。」
癒芽の瞳からは何粒も涙が零れだしていた。
悠哉は泣いている癒芽の腕を掴むと、自分の腕の中に納めた。
「本当。」
涙でワイシャツが濡れるけど、そんなこと気にしない。
抱き締めてから暫らく経つと、癒芽の手が悠哉の背中にまわった。
「悠哉・・・?」
「ん?」
抱き締め返されたことに多少驚いたが、平常心を保つ。
癒芽が悠哉の腕の中で、深呼吸するのが聞こえる。
「どうした?」
呼んだはいいが何も言わない。
腕の力を緩め、顔を覗き込もうとしたのだが・・・。
癒芽自身が更に抱き付いてきたので、何も言えなくなってしまった。
「好き。」
癒芽はゆっくりと顔を上げ、悠哉を見た。
「顔赤いよ?」
さっきまで泣いていたはずの癒芽の顔は、少し笑っていた。
「うっさい。」
悠哉はそう言うと癒芽の頬にそっと触れ、触れるだけのキスをした。