毎日考〜始まりの前〜-4
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「早く出ないと、逆上せるよ。」彼が脱衣所の外から声をかけてくれた。
彼は、出会った時の事を覚えているだろうか。
お風呂の栓を抜いて、髪を拭う。
バスローブを纏ってリビングに行くと、彼が缶ビールを空けるところだった。
「出会った時の事、思い出してたよ。」
彼が微笑む。
ほら。
あたしたち。
こんなに通じあえてる。
嬉しくて、やっぱり幸せだった。
彼があたしの手首を掴む。
首筋に、軽くキスをした。
「ふ…」
くすぐったくて、微かに声が出た。
彼のシャツにすがると、優しく抱きしめられた。
あたしの、1日中で、一番幸せな、時…。