甘辛ニーズ-1
そこは薄暗い闇の中。
「う……うっ……」
私は泣いていました。
「なんで…なんで……」
弱めのスポットライトを浴びながら、一人で泣いていました。
「死んじゃったんですか………」
温かいのに、手の中のソレは冷たくなってゆくのです。
時間が経つにつれて、スポットライトも消えてしまいました。
完全な闇になりました。
昔から暗いところは嫌いでした。
就寝の時にも、電気を点けてないと寝れないのです。
その度に幾度か親に怒られました。
殴られ蹴られ…父のタバコで根性を焼かれる始末。
…まあ仕方のないことだと思ってます。
あの時は相当貧乏でしたから…私のせいで電気代も半端ないですし。
とりあえず、私は闇が嫌いなのです。
でも今は悲しすぎて、嫌いだのどーのこーのなんて言ってられません。
約二秒後に…きっと…叫び泣いちゃいますから。
いち、に。
「…く……うああぁ…!」
孤独も、闇も、ずっとキライ。
途中、どこからか光が射し込んできました。
天国…そうです、お迎えの天使さんが来たのでしょう。
最愛の人が死んでしまったのだから、私も生きてる意味は全然無いのです。
もう…私は一人じゃないですよね…ショウちゃん…。
「…で、その豆電球は一体なんだろう?」
「ショウちゃんですよ。わかりませんか?」
「なぜ僕がモデルなのかきっちり三文字で表してほしいものだね」
「ハゲ?」
「ハゲじゃねーよ!しかも三文字じゃないだろ!」
「ちゃんと三文字ですよ。ハテナマーク入れましたもん」
怒鳴り散らすハ……もといショウちゃんはからかい甲斐のある人です。
それはもう、もふもふなモルモット並みにすごく可愛い人なのです。
「……そうか、お前はご飯を食べたくないワケだ。把握した」
「あっ、だめ。私、ショウちゃんの手料理食べないと生きてけません。嘘じゃないです、嘘じゃないから待って待って行かないで」
さて、自己紹介が遅れました。
銀河一の美少女こと私は、秀麻凪(しゅうま なぎ)
いい名前だと思いませんか?ええ、いい名前です。
えーと、他に…そうですね。某巨乳姉妹も顔負けの、だいなまいとばでーの持ち主なのです。
街で歩けばそりゃあもう、私のカラダを見て犬の様にヨダレを垂らす雄共がどれだけいることか…。
はい、ちゃんと満足してますよ。ありがとうございますマイ両親。
ああ、このカラダ、自分でもうっとりしてしまいます。最高ですね、私。バンザイ巨乳。バンザイ私。
…っていうのは十割方嘘だったりします。
他人に公開できる様なステータスではありませんので、あしからず。
年齢ですか?
んー……ぴちぴちの桃色果実ってトコでしょうか。