[可愛い彼]

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[イジワルな彼〜予想外〜]-1

『行か‥ないで、ヒロ‥』
俺、嶋田ヒロ。今パニックに陥っています。
“俺だって年頃の男の子なんだよ！気になる子が俺の部屋の、それもベッドに寝ていて、その上俺の名前を寝言で言っている！！これって…”
俺は、ベッド脇に腰を下ろし、小山の髪を撫でる。
“…柔らけぇ。カワイイ寝顔だな”
ーもう、ダメだー

顔を近づけようとした瞬間‥
「うっ‥ん」
トロンとした目で俺を見ている。
ビクッ！！
「‥起こしちゃった？」
「しまら‥さん？‥気持ち悪い」
小山が手で口元を押さえる。
「大丈夫か！？チョット待て！！トイレ！」
小山を何とかトイレまで運び、俺は自己嫌悪に浸る。
“はぁ〜寝込みに何やってんだよ！！”
しばらくすると、小山が、申し訳なさそうにトイレから顔を出し、小さくなっている。
「‥すみません！お騒がせしました。」「‥ったく！本当だよ。」
ますます小さくなる小山。
[‥ぷっ！嘘だよ！大丈夫か？]
顔を覗き込むと涙目になっている。
「どした？まだ気持ち悪い？」
首をブンブン振る。「なら…」
「どうして優しくするんですか？」
「どうしてって…」「私、こんな風にされたら勘違いしちゃうんです！…嶋田さんの事が好きだから‥」
それだけ言うと小山は部屋を出ていった。
俺はと言うとー
情けない事に体が動かない。
“‥好きって言ったよな。でも、昼間男と抱き合ってたじゃねーか。”
とにかく、アイツを追いかけなきゃ！
考えるのはそれからだーー。