ロボット・イズ・ラブ-1
ある日俺は、ロボットに出会った。
そいつは空から降ってきた。
この公園に。
「ねえ、博士」
「どうした?ララ」
「あたしも恋愛がしてみたい」
「!?」
突然のララの言葉に、博士は驚きを隠せなかった。
「ダメ?」
「いや、別にダメってわけじゃないぞ、ただ・・・」
そう言って、博士は少し考え込む。
「お願い、博士」
しばらく「ん〜」と唸っていた博士だが、ララの方をチラッと見ると、「よしわかった!」と言って立ち上がり、何やら作業を始めた。
「ありがとう、博士」
そいつは降ってきた。
「おい!大丈夫か?」
起きる気配がない。
「お〜い」
身体を揺さ振って見るが・・・・・・反応なし。
−どうしようかな〜。
そうだ!と言って雄介は携帯を取り出す。
呼ぶのはもちろん救急車だ。
「え〜っと」
雄介がボタンを押そうとしたときだった。
「ん・・・・ん〜」
「おおっ!!気がついたか」
「んにゃ!?」
雄介の大声にびっくりしたのか、その女の子はササッと後退った。
「ああ、ごめんごめん、びっくりさせて」
「・・・・・・・」
まだちょっと怯えているようだ。
そんな目をしている。
「とりあえず、立てるか?」
雄介は手を差し延べる。
「・・・・・・・」
女の子は雄介の手を取ろうとせず、うっすら目に涙を浮かべながら雄介を見つめている。
−なんか猫みたいだな。
「大丈夫だって、ほら」
「・・・・・」
「怖くないから」
女の子はゆっくりと手を伸ばしてくる。
そして、恐る恐る雄介の手を握った。
よし!!と言って、手を引っ張って起こしてあげる。
立ち上がった女の子は、身長150センチくらいで、見たところ中学生、あるいは小学生くらいのようだ。
ピンクのTシャツにピンクのスカート、おまけに背中にはピンクのリュックを背負っている。
「大丈夫か?どこもケガしてないか?」
その子の様子を気にしながら雄介が聞く。
「・・・う、うん」
「本当か?お前、この木から落ちてきたんだぞ」
本当に大丈夫か?と念をおして聞く。
「・・・うん、大丈夫」
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
じゃっ!と言って雄介も家へ帰ろうと歩き出した。
「・・・痛っ!!」
その声に雄介は足を止めて後ろを振り向いた。
そこには、さっきの女の子が右足を押さえてうずくまっていた。
急いでその子の元へ駆け付けると、「大丈夫か?」と言って押さえていた足を見てみる。
−捻挫だな。
「やっぱりケガしてるんじゃねえか。ちゃんと言えよな・・・無理しないで」
呆れた感じで雄介が言った。
「ほら、家まで送ってやるから」
そう言って雄介がしゃがみ、背中を差し出すと、ためらう様子はなくもぞもぞと、その子は雄介の首に手を回してきた。