飃の啼く…第4章-12
「私が教えてあげるわ…それにはね、あなたの核を使わないと駄目なの。わかる?」
「ああ…でもそいつぁ…」
ほとんどのボタンを外し終えたが、まだ肌は見せていない。
「ためらっちゃ駄目よ、あたしとしたいんでしょ?あたしも、興味あるの。」
そして、制服を抑えていた手を離した。ブラをした上半身が露になる。飃のうなり声が、いっそう大きくなる。
「だから、ほら、見せてくれないと教えてあげられないわ。そしたらこの薙刀をおいてあげる。」
私は、自分の肩に手をやった。昨日飃がつけてくれたキスマークに触れて、勇気をもらった。
それを見た飃も、私が何をしようとしているか、察してくれたようだった。
「さくらぁ!やめろお!」
彼は私の目を見て叫んだ。彼は、自分の屈辱が、ナメクジをさらに喜ばせることを知っているのだ。
ナメクジは、ぬらぬらした触手をだして、私に触ってきた。私は、たまに手で払いのけながら、大体の触手はそのまま這わせておいた。
「げへぇ…おめえの旦那はああいってるぜ…」
そういいながらも、ナメクジの体の前方のゼリーがだんだん透明になってくる。そして、透明になった部分にはぽっかり穴があき、その奥には、確かに核が見えた。醜悪。卑猥。私は思った。本物はもっと…
「いいのよ…」
私は、ブラの肩紐をひとつずつ肩からずらした。触手は、無作法にもブラの隙間から入って私の胸をねぶるように触り始めた。うげ。気持ち悪…でも我慢だ、我慢しろ!
「さあ、もっとみえるようにして…」
どんどん核の形が明らかになっていく。でも、この巨大なナメクジの核に届くまでは、ここからまだあと2メートルはある。脚が震えそうになる。しっかり…しっかり!
下劣な触手が、私の下着の中まで侵入する。ひいぃ……泣き出したい。
「これ以上は駄目だぁ…これ以上は、おめえがその薙刀を手放してからだぁ……」
「…わかったわ。」
私は、天に向けていた薙刀の刃を、ゆっくりと、地面に置く振りをしてナメクジの核のあるほうへ向けた。
そして―――
「伸びろ!!九重(ここのえ)っっ!!!」
確証は無かった。ただ、夢の中で語りかけてくれた声は、私が信頼しているのと同じくらい、私を信頼してくれているような気がした。
私が命じた瞬間、
―せいかいだよ、さくら。
そういうのが聞こえた。
私の九重は、深々とナメクジの核を突き刺すまで、空を裂いて伸びた。皺だらけのたるんだそれは、びゅくびゅくと黒い液体を出しながら萎んでゆく。しっかりと握った私の手には最後の脈動まではっきり伝わってきた。
「う…ぉ…ぼああぁあぁぁあああぁ!!!!」
叫んだナメクジの、最後の抵抗だ。
鋭く尖らせた触手を、いっせいに伸ばしてくる。いけない!シーサー達が、危な…