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ツバメ
【大人 恋愛小説】

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ツバメH-2

『……じゃあ、もし福岡くんに、彼氏のことを全然考えない彼女がいて、福岡くんが一日に複数の女の子から告白されたら?』
「……不思議な質問だね」
『……ごめん』
すると福岡くんは、苦笑いから真面目な顔に変わった。
「……彼女にもよるけど、そのときは別れる、かな」
『……』
「それで告白してきた子と付き合うかどうかはわからないけど」
『え?』
「もしそうなったら、一度頭の中をリセットすると思う」
『……そっか』
そんな考え、思い付かなかった。
「鳥羽……きみのこと考えないの?」
『へ?』
「そうなんでしょ?」
福岡くんはまた苦笑いの顔に戻った。
『……うん』
すると、福岡くんはくるりと後ろを向いた。
「……そんなこと、ないと思うけどなあ」
『……え?』
「秋葉原で二人に会ったとき、二人はとても幸せそうだったから」
『……』
すると、福岡の携帯が鳴りだした。
「……はい、はい」
『……』
「ごめん、もう行かなきゃ」
『うん、変なこと聞いてごめん』
「……いえいえ」
福岡は早足で歩き始めた。
「あ」
『?』
福岡はなにかを思い出したかのように振り返った。
「いいことおしえてあげようか」
『……』
「高校のとき、鳥羽は軽い男だと周りに思われていた。もちろん、僕もそう思ってた」
『……』
「でも違った」
『……え?』
「あいつは本当に彼女を大切に大切にしていた。どんな人と付き合っても」
『……』
「……じゃあ、また」
福岡くんは、そう言って走り出した。
『……でも、あたしは……』


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