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ツバメ
【大人 恋愛小説】

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ツバメH-3

会社から帰宅し、家事を終えて、やっと人段落つくと思った頃、知らない番号から着信があった。

すぐに誰だかわかった。
というか、なんとなく待望んでいた。

『……もしもし』
「……」
『なにか用?』
「……電話、待ってた?」
『待ってた』
「……彼氏には抱いてもらえたか?」
『……そんなわけないでしょ』
「……俺にまた抱いてほしい?」
『きみさ、なんであんなことしたの?』
「……あんたなら食えそうだったから」
『嘘つき』
「……」
『きみって優しいんだね』
「……なぜ?」
『きみの目って、なんか優しかったもん』
「大した洞察力だな」
『あのとき抱き締められたとき、きみはとても優しかったから』
「……彼氏と別れたのか?」
『……まだ』
「まだってことは、別れるんだな」
『……わかんない』
「……」
『あいつがあたしの彼氏に向いてないのにはもう気付いたの。』
「……」
『それに、あいつはあたしじゃなくても大丈夫みたいだから』
「……俺と付き合えよ」
『バカ言わないでよ』
「あ?」
『そこでほいそれと知り合ったばかりなのに付き合えるわけないでしょ』
「……堅いんだな。若いんだから、もっと遊べよ」
『……』
たしかに、こんなに最低な狩羽鷹に興味が湧いてきたのは事実。
だって、本当に彼は女の気持ち、理解してるから。

あーあ、“あのバカ”はなんで連絡してこないんだろう。
さすがに我慢の限界だってくるわよ。



結局、うやむやなまま電話を切った。

桜実くんからも連絡はないし。
あたしはどうすればいいんだろう。


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