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くしゃみの練習
【コメディ 恋愛小説】

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くしゃみの練習-4

「そんな顔して怒ったって全然恐くねぇよ〜」

タイチはあたしのホッペを軽くつねってバカにしたように言ってきた。


(もぉホント
なにしてんのあたし…)


「んでまた泣くんか笑
マジどーしたょ?」

再び溢れてくる涙をタイチは指でぬぐってくれた。


「……しゃみッ……ふッ……からぁ……ッ」

「え、なに?笑」

泣いているため
言葉がうまく出せない。


「タイチが昨日ッ…ぅぐッ……リスみたいなくしゃみッ…可愛いって言うから…」

「言うから?」

「練習したの…ッ昨日…ッ」

「……………」

「超練習したのに……
力みすぎて失敗したッ……
予定じゃ今頃アンタあたしに『可愛い』って連呼してるハズだったのに……最悪ッ……グスッ…」

「……………」

ひたすら泣き続けるあたしと、ひたすら黙り続けるタイチ。

罰があたったんだ。
こんな計算高い事して
タイチに『可愛い』なんてセリフ言わせようとしたから。





「可愛いよ」





…………え?





「サキは可愛いよ。俺が知ってる女ん中で一番」

「……………」

「こんな理性ぶっ飛びそうな顔しちゃって〜
言わなきゃ分かんない?」

「分かんないッ……」


「可愛いよサキ。そーやって俺のために秘かな努力しちゃってるとことか、俺のこと大好きなとことか♪笑」

「〜〜〜〜ッ////」

「すげー可愛い。マジ超好きだよ。」

そぅ言ってタイチはあたしをぎゅぅぅぅっと抱きしめてくれた。


なんつーのかな、この感情。

“嬉しい”とか“幸せ”とか、そんなありきたりな言葉で表したくないなぁ……


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