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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-1

「……蓮っ。」
何かを哀願するような声が俺を呼ぶ。
『玲良。』
俺はその声に応える様に彼女を引き寄せ、彼女の熟れきった果実に自身を当てがう。
そして自身で果実を優しくときほぐし、一気に貫く。
「あぁぁっ!」
快感を歌う彼女の顔を見つめ、その美しい旋律に耳を傾ける。
「んっ、あはぁん、あっ、あぁぁんっ!」
普段は気丈さを決して失わない彼女の声も、俺の腕の中では素直に鳴いてくれる。
俺にとって何よりも愛しい声だ。

そしてこの声こそが、あの頃はまだ出会ってもいなかった俺達を、始まりへと導く唯一の糸だった。


〈―――定期連絡は以上。今後進展があれば追って報告します。〉

それは関東信越地区麻薬取締部の連絡員から俺に宛てて入る、定期的な通信だった。
盗聴やら混線やらのあらゆる危険性を排除し、日米をはじめとする先進各国の国家権力によって保護されたこの電話を通し、INC【国際麻薬機関】日本駐在官の一人である俺に必要とする情報を提供してくれるその声。
その声は日本語、英語、ロシア語を完璧に操る、常に冷静沈着な女の声で、無駄な感情を表に出さない、まさに連絡員としては理想そのものだった。
そしてそれだけでなく、回線と受話器を通してもよく透き通った美しい声や、会話の合間に時折混じる吐息は女としても十分な魅力を感じさせた。
俺はそんな顔すら知らない女に、興味牽かれていた。
その声は脳裏に焼き付き、その声の主が連絡員の仕事を外れた後も、俺の記憶回路から消える事は無かった。


今思えば、君は声が表すの通りの女だった。
常に欠かす事ない冷静さと気丈さ。自立した大人の女である事を伺わせる媚ない言葉。他人には決して曲げる事の出来ない強い意思が表れる口調。
な?声の印象と実際の君は何も違わない。

それから数ヶ月後、俺達は思いもよらぬ出会いを迎える事になる。
君と出会って、君の表情や仕草が声と共に感じられる様になってからは、この印象は更に確固たる物になった。


それは荒れ果てた旧繁華街の裏路地、俺がその場所に居合わせたのはまさに偶然だった。この時の俺は、この付近にあるだろうと見定めていたとある密輸商の塒を探していた。
そして裏路地に車を乗り入れ、愛車のエンジンを切ると、俺はこの場所には不似合いなとびきりの美女を目にしたのだ。
その美女は決して質が良いとは言い難い男達に囲まれ、こめかみに当てがわれた銃によって命の危機に瀕していた。
美女の顔に見覚えは無かったが、俺は彼女を取り囲む男達の中の数人を知っていた。
奴らは麻薬の密売を専門とする組織の人間で、日本の麻取が現在捜査対象にしているとの連絡を受けていた。
俺はすぐさまエンジンを始動させ、思い切りアクセルを踏み込むと、彼女を取り囲む男達に突っ込んだ。
「乗ってくか?」
右側にある助手席のドアを開き、俺は彼女に言った。
銃をつきつけていた男をはじめ、彼女を取り囲んでいた男達は突然の出来事に動く事を忘れていた。
だが暫くして状況を飲み込んだ男達は次々に銃を取り出し、車に向けて発砲した。
それに気付いた彼女は慌てて車に飛び乗ったが、心配はいらない。
俺の愛車コルベットには防弾装甲が施されており、生半可な短身銃では傷すら付かない。
俺は直ぐにアクセルを踏み、車が急発進した勢いでドアが閉まった。
そして発砲した男達を遥か後方に残し、走り去った。


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