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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-46

『なぁ玲良、君の上司からケースを受け取らなかったか?革で出来たサイフ位の大きさの。』
俺は一つの疑問を口にした。
「あなたからだったのね!?」
すると彼女はすぐにそのケースを取り出し、スライド式になっている蓋を開いた。
中には俺の用意した二つの封筒が収められている。
『南国行きのチケットさ。もう1つは小島のリゾートの予約チケット。君の怪我が治ったら、二人きりで行こう。』
「ありがとう。本当にあなたと行けるなんて……、夢の様よ。」
『俺は始めから君と行くつもりだった。』
そんな言葉に彼女は優しい微笑みを浮かべた。


―玲良、愛してる。―

君が俺を受け入れてくれた事、本当に嬉しかった。
もう決して俺は、君に自分を偽らない。



時は過ぎ、
俺達は彼女の傷が癒えるのを待ち、南国行きのチケットを使った。
蒼く透き通った月夜の光が照らし出す白い砂浜、静かに寄せては反す波の音。
俺達二人以外は誰もいないこの場所。だが君が隣にいてさえくれれば、俺はもう他に何も望まない。
君が隣にいてくれるからこそ、俺の存在する理由がある。
『玲良、愛してる。…君に誓うよ、もう君に嘘はつかない。』
コテージの中、大きなベッドの上、君の柔らかな壁が俺を絞め付ける。
「…ええ、っあぁ、私も…愛してるわ。私もっ、んっ、もうあなたを…欺きたくない。』
彼女は俺と共に生きる事を望んでくれた。
肌を重ね、共に心を重ね、俺達は同じ道の上を歩んでゆく。
もう互いを偽る必要も、欺く必要も無い。
「あっ、んっ、あぁっ!」

彼女の甘く淫らな声が、コテージの中に響く。
『…始まりはその声だったんだ。俺は君のその声に牽かれて、…そして全てが始まった。』
彼女は俺の声こそ耳に届いてはいるが、それに言葉を返す余裕は無いようだ。
だが余裕など無いのは俺も同じ。
俺達は互いを高め合い、そして昇りつめる。

『日本に帰ったら休暇も終りだな、忙しくなりそうだ。』
「あら?最高のパートナーと一緒に仕事が出来るってのに、乗り気じゃない訳?」
そう、彼女は俺の望み通り、厚生局麻薬取締部からINCへと出向している。俺のパートナーとして。
『嬉しくて仕方がないさ。君とならどんな敵にも負ける気がしないね。』
「そうね、私達ならきっとやれるわ。」


彼女のINCへの出向が正式に決まった時、俺はある決意をしていた。摘発から逃れたフールとアゲハを、必ず俺達の手で追い詰める事を。

巨大な麻薬密造組織に比べ、俺一人の力はちっぽけなものかも知れない。
だが、玲良が隣に居れば、そんな巨大な組織を相手に戦う事も、不思議と可能だと思えた。
何の根拠も無い自信だが、彼女にはそう思わせてくれる何かがあるんだ。
俺には彼女が必要だ。そして彼女も俺を必要としてくれる。

「ねぇ、蓮?」
『どうした?』
美しい砂浜を歩きながら、彼女が空に輝く南十字星を仰いでいった。
「あなたは私から離れる事は出来ないわ、根拠は私とあなたの中にある……。忘れないで………。」
『あぁ、俺はずっと君の側にいよう……。』

―END―


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