となり同士-2
いつものように玄関ドアーを開けると美紗は中に向かって、
「こんにちは〜っ!美紗ですが」
だが、誰も出てくる様子も無い。もう一度呼んだが結果は同じだった。
(留守かぁ…まあ、ココに置いておけば気づくでしょ…それにしても玄関開けっぱなしで不用心ね)
ビニール袋を玄関口に置いて美紗が帰ろうとした時、中から音が聴こえた。
(何?いまの)
“気のせい?”と彼女は耳をすませる。すると、今後はハッキリと聴こえる。人のうめき声をかすかに。
(まさか!倒れてるんじゃ)
美紗はサンダルを脱ぎすてるように玄関を上がると、声を辿って奥へ進んだ。
「……うっ……んっ……」
声はだんだんと美紗の耳にハッキリと聴こえるようになってきた。
(ここって……お風呂場じゃない)
美紗はそっとドアーを開けた。脱衣所には衣服が脱ぎすてられ、その先の曇ガラスには人影が見える。声はそこから聴こえていた。
美紗は曇ガラスの隙間から、そっと中の様子をうかがった。
(り、亮太!)
そこには風呂の床に座り込み、硬くなった己れのペ〇スを握りしめた亮太の姿があった。
「…あぁ…うっ…くぅ…」
足を投げ出し半身を片手で支え、もう一方の手はゆっくりと上下にペ〇スをしごいている。
まだ未発達のためかカリの部分は皮を被り、その先に見える亀頭はピンク色をしている。が、瞼を閉じ、眉間にシワを寄せた亮太の表情は快感に耐えるそれだった。
(亮太ったら……子供のくせに…)
美紗の喉がゴクリと鳴った。男の人の性器がそうなるコトは保健体育で知識としてはあったし、ビデオで見た事もある。
しかし、それは所詮映像であって、実物を見るのは初めてだった。まして、それが弟のように付き合ってきた亮太のモノとは。
「うんっ…くっ…んっ…んっ…」
亮太の息づかいが荒くなり、ペ〇スをしごく手の動きも速まった。無意識なのか、時折、腰を突き出すような動きを見せる。
(亮太…あんなに…)
美紗は自身の秘部が熱くなるのを覚えた。
その時、美紗は“もっと見たい”と曇ガラスに身体を寄せた。
“ガタッ”と音がなった。
亮太は身を硬くして音のした方向を向いた。美紗と目が合った。亮太は立ち上がると曇ガラスを開けた。
「お姉ちゃん…」
身体が反応しなかったのか、美紗はその場に立ちつくしていた。