ツバメF-6 「綾瀬さん、聞いた?今朝になって芝さん、辞職願を提出したんだって!」 『……え?』 「いきなりだって。狙ってたのにー!」 翌日、その話を聞いたあたしは、走って経理部へ向かった。 経理部の前はたくさんのOLでごった返していた。 『……』 彼は会社を辞めた。 もしあたしが結婚を受けていれば、こんなことにはならなかったのかな。 傷ついたはずの心は、そんなことを忘れ、ただただ感慨していた。