絶対的トライアングル-1
「すいませんっ・・!!間違えました・・・」
たまに聞くであろうこの言葉。
それはよく人違いに使われる。
そう、“人違い”(笑)
***
「やっべ!遅刻ギリギリだ!!」
清々しい朝!
のはずが俺は寝坊して時間ギリギリに学校に到着。
ふぅ・・・走ったせいで、今日1日のエネルギーの99%使っちまった。
靴くつ・・・っと、靴箱を空けて、靴を出してー・・・
あ、なんか落ちた。
「ん?んだぁ?これ・・・」
これが俺の悲劇を呼び覚ます存在だったとはまだ知らず、何気なく手に取ってみた。
だって、落ちたら拾うだろ?
1円だって拾うぜ?
ミスターF諭吉だって拾うだろー。
「宛名と差出人くらい書けよ。」
封筒には何も書いてねぇ・・・。
となったらフツー中身みるために開けるよな?
ガサガサ。
なになに・・・
「突然こんな手紙を書いてごめんなさい。
でもどうしても、アナタにこの思い伝えたくて。
ずっと好きでした。
もしアナタが私と同じ気持ちなら、今日の放課後、校庭のクローバー畑に来て下さい。
待っています。
2C 常波 沙那」
2Cの・・・常波・・・
ってあの常波・・・!?俺が好きな・・・常波沙那(ときは さな)・・・
あのな、常波はすっげーカワイい子なんだ!!!背は160センチくらいで、華奢で、目は大きくて睫は長くて、でもスタイル良くて!!!
って脱線したな。すいませ〜ん。
てか、ど・・・どうしよう。
***
その日の授業はまったく集中出来なかった。
「なぁなぁ・・・これ、どうしよう。俺、緊張して喋れねぇ」
途方に暮れた俺は、親友である多田 雅(ただ ただし/名前をからかうと怒るから、笑わないでくれよな?)に相談した。
「シン〜、お前さぁ?常波のこと、好きだったんだろ?ならそれでいいじゃん。」
さ・・・さすが女慣れしてるタダタダシ!
そう、こいつは今に珍しい5人兄弟。姉4人というわけで末っ子。
ちなみに俺の名前は千葉 新太郎。
紹介が遅れたのは作者が忘れてたから・・・だそうだ。
でも俺・・・告られたことないしー。
タダタダシとはちげぇーんだよー・・・
「わ・・・わかったから、そんな顔するなって。気持ちわりぃ」
気持ちわりぃは余計だ、多田。