Liebes schmerz-1
あたしにだって
譲れないモノくらい‥‥
あるんだ‥‥。
「優衣ぃー、早くしないとおいてっちゃうよーッ」
「ちょっと待ってよぉー」
うーん‥。
どれにしようかな‥。
初めまして佐倉優衣です。あたしは今、自販機の前でお昼に飲むジュースを悩んでる真っ最中‥。
「う゛ーん‥これッ」
ピッ!!
ガシャンッ
「優衣ぃー」
「今、行くってあッ!!」
間違えてブラックコーヒー買っちゃった‥(泣;)
「ブラックなんて飲めないのにぃー‥どうしよう‥」
ついてない‥。
今日は厄日だ。
「はいッ!!俺、ブラック飲むから交換しよ。」
「へっ‥?」
「間違えたんでしょ?
はい、レモンティーでいい?」
「えっ‥あっ‥ありがとう」
「うん、じゃね」
「ねぇ‥王子様が現われた」
「またでたよ。優衣の王子様発言‥。」
ところかわって教室です。今、親友の奈々と千秋とお弁当タイム♪
「こないだはマックの店員で、その前はセブンだったっけ?今度は誰?モス?ファミマ?」
「うぅん、この学校の人」
「まじッ!??誰?ってか優衣がこの学校で王子なんて言うの初めてじゃない!??」
「誰なの!??」
「わかんない‥でも‥カッコよかった‥」
「ダメよ‥目が完全にうっとりしてるわ‥」
「ほっとこう」
だって、初めて見た人なんだもん。
でも絶対あたしの王子様だよ‥。
いつも口にしてるのなんかとは全然ちがうんだから。今度のは本気‥。
正真正銘の本物なんだから。