その後の淫魔戦記-10
「あっ……!」
有月の唇が乳首を捉えたため、未緒の体がぴくりと震える。
「まこと、よい声で鳴くのう。未緒殿」
有月は心底嬉しそうに笑うと、未緒の股間に指を這わせた。
「ひっ……あっ、あっ……」
直人と有月は無言で目配せし合うと、熱く潤い始めたその場所を指で蹂躙する。
有月は、膨らみ始めた可愛らしい真珠粒を。
直人は、潤み始めた秘裂の中を。
二人の織り成す指技に、未緒は狂い鳴いた。
「んんああぁ……!」
限界を迎えそうなのか、腰がぶるぶる震えている。
そんな未緒の頬にキスを一つ落とすと、直人は有月と共に愛撫を激しくした。
「あっ……!!」
次の瞬間、未緒がか細い声を上げる。
ぎゅっと指を搾られ、直人は眉をしかめた。
空中に、愛液が撒き散らされる。
「はぁ、あ……」
虚ろな視線を空にさまよわせ、未緒は肩を上下させた。
「未緒」
いたわるように妻へ声をかけた直人は、利き手を蠢かせる。
「ふ……」
かくん、と未緒の首が落ちた。
気絶してしまった未緒を挟みながら、二人は視線を交わす。
「当主よ。妾を、埋めておくれ」
有月は、直人の頬に手を這わせた。
「もう二度と目覚めぬ、いと深き眠りのために」
意識の飛んでいる未緒を抱き留めながら、直人は言う。
「有月……開祖は、君が大好きだったよ」
それを聞いた有月が、ふっと微笑んだ。
「妾もじゃ。よき友人として、互いを心から好いておった」
未緒を離すと、直人は有月を胸に掻き抱く。
「君がいなくなるなんて……寂しいよ」
有月は笑って、直人の背中を叩いた。
「そのような事を言うでない。この老体に鞭打って、生き長らえたくなるではないか」
「それでも構わない」
抱き締める腕に、力がこもる。
「新しい者が増える一方で、僕の記憶にある古き者達がどんどん離れていく……」
有月の手が、直人の背を優しく撫でた。
「寂しい……寂しくて堪らないよ」
やがて有月は、呟くように直人を諭し始める。
「そう泣くでないぞ、当主よ。妾が眠ろうと、本体はいきなり枯れ果てたりはせぬ。思い出の、慰めもあろう。妾達がそなたの元を去ろうと、新しき絆がそなたを支えるであろう?」
有月は、腕の中から抜け出た。
「そなたが守ると誓った絆を、振り捨ててはならぬ。妾はその絆を引き換えにしてまで留めねばならぬ程、重い存在ではない」
「有月……」
「そなたの思い出に、妾を加えるがよい。長き時を過ごした妾には、それが似合いじゃろう」
再び抱き締めようとする直人の腕の中へ、有月は飛び込む。
二人は優しく、口付けを交わした。
「当主……妾と、一つに……」
渇望を秘めた囁きに、直人は頷く。
妻に触れたおかげで既に隆々と猛るものを、有月にあてがった。
濡れそぼって準備の整っていた秘裂に、ゆっくりと侵入を開始する。
「ん……お、お……!」
かはぁ、と有月は息を吐いた。
「久方ぶりじゃの……男の熱さなど、とうに忘れておったわ」
「痛くはないかい?」
久しぶりという言葉が引っ掛かり、直人はそう尋ねる。
聞かれた有月は、ふふふと笑い声を漏らした。
「心配など無用じゃ。それより……妻である未緒殿を差し置いて、先に妾と契ってもよかったのか?」
それを聞いた直人は、くすりと笑う。