『マニラバ!‐Last』-3
その頃、茜は――‥
「リョウの奴、最後の一押し、言えてるかな〜」
「あ〜、あの例の2人?」
茜は彼氏の運転する車の助手席に座り、舞とリョウの心配をしていた。
「そう。2人とも似たもの同士で‥舞なんか特に鈍感だから。」
舞、はやく気づいてくれないかな〜
一番自分らしくいれる相手。気なんて使わなくて、着飾らなくていい相手。そしてそんな舞の事を思ってくれる相手がすぐ近くにいるのに――
気づかないかなぁ。
気づかないだろうなぁ。
まぁでも舞のことを好きになったリョウもリョウだけど、リョウのことを好きだと気づく舞もすごいか。
お互いに舞とリョウだけだろうな。こんな大変な、変り者と付き合えるのはマニアックな奴らだけだよ。
それと、あたしか――。
あーあ、ほんっとに、世話の焼ける2人だこと!
きっと自分がいないとまとまらないであろうと確信した茜だった――
――‥
自転車を転がせたまま、2人のやりとりはまだ続いてた。
「えっ?!じゃあ、オレのこと嫌いなのか?」
「好きだよ」
「ほらっ。やっぱり!」
ぎゅっ
「イテテテテ。いやだから、そういう意味じゃなくて‥」
「舞!また前髪短くしろよ。オレはあの前髪好きだなぁ〜」
「何、急に?!意味わかんないしっ!」
やれやれ‥
2人のやりとりはまだまだ続きます。
これから先も‥ずっと。
2人のこれからがうまくいくことを願って。
マニアック・ラバー
またいつか‥
〈おわり〉