『マニラバ!‐Last』-2
放課後――‥
結局茜ちんは「彼氏と約束してるから」と帰っていってしまった。
いつものように、舞を後ろに乗せリョウは自転車を走らせた。
「なぁ?舞‥」
自転車をこぎながら目と目が合わないことをいいことに、リョウは実はずーっと気になってて聞けなかった事を舞に聞いてきた。
「ん?なに?」
「最近、藤堂‥先輩、お前のトコこないみたいだけど。」
ん?あ〜、そういえばリョウに話すの忘れてた。
「ごめん、話すの忘れてた。あたし断ったんだよね〜」
「は?まじっ?!」
思わずリョウは自転車こぎながら後ろの舞を振り返る。
「うわっ。危ないって」
案の定、2人乗りの自転車はバランスを崩しそうになる。
――そっか、そっかぁ!
リョウはニヤけながらテンションを上げていた。
そして柄にもなくストレートに聞いてみる。
「それって、オレといたいから断ったのか?」
―な〜んてな。
しかし、舞から思わぬ返事から返ってくる。
「え。なんでわかったの?」
えっっ!!
ガシャンガシャン!
「うぎゃあ!」
さっきよりも大きくバランスを崩し、2人とも自転車から落ちてしまった。
「イッターイ!もう‥リョウのバカぁ〜」
舞は道路に座り込み、ぶつけたヒザをさすっていた。
しかし、リョウはそれどころじゃない。
「ほっ、本当か?!舞。今の‥っ!」
リョウは目を輝かせている。
あ?!何?!
それとは反対に舞は自転車から落ちたことに怒っている。
「やっ‥やったぁぁ!!」
がしっ!!
「うぎゃっ」
リョウは勢いで舞に抱きついた。
「ちょっと!何?!」
舞は訳がわからない。
「好きなんだろっ?!オレのことが!
オレは大好きだぞ、舞!」
「いやいやいやいや!リョウ、なんか勘違いしてない?!」
一瞬だけ舞を離す。
「何が?!オレといたいんだろっ?!」
「いや、そうなんだけど‥」
「だろっ」
そしてまたぎゅーっと抱き締める。
「イテテテテ‥!いや、それはリョウとじゃなくて、茜ちんも含めて3人で‥」
「そうか、そうか。やっと俺たちは‥」
――って、聞いてないし!