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『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

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『マニラバ!‐5』-1

あ〜 頭が混乱する‥
全然集中できない‥
今見た映画の内容も頭に入っていない。

今日は藤堂先輩に誘われて映画を見にきたのだけれど‥昨日リョウに好きだといわれた。本当なのかどうかは分からないけど。
コレが集中できない理由。

罪悪感‥?リョウに対して‥?んー。

わからん。


「舞ちゃん、どうかした?映画、つまんなかったかな?」
藤堂が聞いてきた。
「あっ、ごめんなさい。なんか、ボーッとしちゃってましたね」
――いかん、いかん。
集中しなきゃ。

「じゃあ‥ちょっとお茶でも行きますか」
そう言って、藤堂は舞の手を握り歩きだした。

うわっ‥
やばい。やっぱりドキドキしちゃうよぉ〜



目の前でコーヒー飲みながら話している藤堂先輩。どうしてそんなに楽しそうに笑うんだろう。あたしもつられて笑ってしまう。
今まで自慢のように聞こえてたサッカーの話も今日はとても先輩をかっこよく見せる。

「先輩、ほんとサッカー好きなんですね」
「舞ちゃんは?なんかスポーツやってなかったの?」
「ん〜。いろいろやってたんですけど、団体行動とかってどーも苦手で‥」
「運動神経いいのに〜。もったいないね」
藤堂は笑ってる。

「練習とかもダメですね‥だから、先輩ってほんとスゴいですよ」
「そぉ?
あ〜‥でも俺、ついついがむしゃらになっちゃう癖あるんだよね。好きなことになると特に‥」

その言葉に妙にドキドキしてしまう。

ここ何日間かであたしは人生のドキドキを全て使い果たしてる気がする。
あたしって、こんなにドキドキする人だったんだ――



次の日――‥


うー、気まずいな〜

舞は教室に入るのをためらい、廊下から教室の中の様子を伺っていた。

「何やってんの、お前」

『うぎゃ!!』
リョウが後ろから声をかけ、教室へ入っていった。
「あ、舞。おはよー」
茜も続いてやってきた。

「お‥おはようさん‥」

な、なんでリョウ普通なの?


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