reality ability‐第2話‐北の町、white town‐-3
「しまっ‥‥!!」
「‥‥終わり‥‥」
〈ヒュン!!‥ブシュッ!!‥‥〉
光の居る場所の地面は白銀から紅へと染まる。そして、光本人はその場に倒れた。
「光!!」
「‥‥余所見とは余裕ですね?」
〈ヒュン!!ギィン!‥‥〉
「くっ!」
「やりますね。受け止めるとは。」
「当たり前だ。アイツを越える!」
「またですか?‥‥心ここにあらずですね。そんなんじゃあ、勝てませんよ?」
「っ!‥うるさい!」
〈ヒュン!‥‥ヒュン!ギィン!ヒュン!ギィン!!〉
一方、二刀流対一刀流の勝負は4対6で、こちらの多少分が悪かった。
それもそうである。誠慈は集中してなかったのだから‥‥。皇希の“力”への嫉妬が、苛立ちとなって、ここで爆発したのである。
《俺は負けてる?‥‥くそっ!それもアイツに負けたからだ‥‥》
「‥‥また考え事ですか?なら、楽にさせてあげましょう!」
「ちっ!‥‥しまっ‥‥た!!」
「‥‥終わりです。」
〈ヒュン!!ブシュッ!!〉
誠慈もまた、光同様にその場で倒れた。
「ふぅ。‥‥やれやれですね。神城家の長男と長女が来たから、驚きましたけど、所詮はこの程度ですか。」
「‥‥任務完了‥‥」
「結。‥‥帰りましょうか?」
「‥‥うん‥‥」
「‥‥僕らの闇が勝ちました。‥‥誠慈さん?貴方は何に迷っているのか知りませんけど、目の前の敵に殺られる程度では終わりですよ?‥‥行こう。」
「‥‥‥」
祐と結は立ち去ろうと、歩き始めた。
「!!」
祐が急に振り返った。結も慌て振り返る。
そこには確かに倒れたはずの誠慈と光が立ち上がっていた。
「ぐふっ!‥‥悪かった。お前の言う通りかもしれない。」
「はぁはぁ。‥‥そうね。私たちは自信過剰だったかもしれない。」
「‥‥ここからは本気になる。覚悟しとけ?」
「そ、それは光栄ですね。」
「‥‥!!‥‥」
「私たちの本当の“力”を見せてあげるわ。」
誠慈と光の様子がガラリと変わった。この状態は前にもあった‥‥。そう、“鐘の音”の神城家が襲われた時の雰囲気を誠慈と光で作り出していたのだ。