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愛する人。
【OL/お姉さん 官能小説】

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愛する人。-5

―…

「ッ…」
彼は私を副社長室の大きなデスクの上にのせる。
「やだッ…」
彼は私の制止にも関わらず、決して止めてはくれなかった。
彼は私をうつぶせにし、背中に舌を這わせる。
「んぁぁッ…」
彼の生暖かい舌が背中を伝い、思わず声がもれた。
「要ッ…」
チュッチュッと音をたてて、彼は背中だけを愛撫し続ける。
「な…んでぇッ…」
何故彼が、背中に執着しているのか…私にはわからない。
あまりにしつこく舐めるから、背中の感覚がなくなりそうで怖くなった。
「要…どしたの?」
私は首をひねり、彼に視線を向ける。
「何で背中ばっかり…?」
彼は私を愛しそうに見つめ、そのまま唇にキスを落とした。
「…他の男に触らせんなよ…」
彼は小さな声で言う。
「え…」
「今日山崎に擦られてただろ。背中」
「山崎くんに?」
私はう-んと唸った。
「…あぁ。そういえば。」
コーヒー飲み過ぎて気持ち悪かった時にさすられたな…と、私は思い出した。
「嫌なんだよ…。自分の女が他の男に体触られんの。」
要は眉を下げてそう言う。
珍しく、情けない顔で。
「あ…」
「後輩だって所詮男だ。」
彼は私をうつ伏せから仰向けに直した。
「う…ん」
「お前警戒心なさすぎなんだよ…。こっちは心配すんだって。」
スカートに手をかけられ、ジッパーがさげられる。
パサッとスカートが副社長室の灰色のカーペットの上に落ちた。
「…千晴は俺のもんだ。」
彼の唇が私の掌に触れる。
「うん…」
彼は…ヤキモチをやいたのだ。
恋愛対象ではないと知っている筈の相手に。
彼もまた、副社長という肩書きを取ればただの一人の男。
心配もすれば、嫉妬もする。
私はそんな人間らしい彼を好きになった。
(何か…要、可愛い…)
私は微笑んで、要の頬に手を添える。
「そうだよ。私は要のもの。要以外には触らせないよ。」
彼の目を見て、私はそう言った。
揺れていた彼の瞳が、私を映す。
「…おぉ」
当たり前だ、とでも言わんばかりに、彼は頷く。
「だから…要も私のものだよ」
「当然だ」
彼は私の手の上に自分の手を重ねた。
「ふふ」
「ん?」
「何か…嬉しい。」
「何がだよ?」
「何って…要が私の事好きなんだな-ってわかったから。」
「何言ってんだよ…。俺は千晴を好きじゃねぇ。愛してんだ。」
「…そうだったね。」
「…キスしていい?」
彼は私の唇を指でなぞり、返事を聞く前に唇をくっ付けた。


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