「お母さん…〜春美視点〜」-4
「それで今家の押し入れにお婆ちゃんがいるの。」
「えっあ…」
「お父さんは自首しようって、今日家族会議があるんだ。」
「冬香………」
「春美お願い。あの刑事さんと知り合いなんでしょ?今日の夜。もう一度来てくれる様頼んでくれないかな」
「自首………するの?」
「うん」
「わかった。頼んでみる」「ごめんね。お願い……じゃあ私、行くね。」
冬香は少し涙目で来た道を戻っていった………
「大場さん!まだいますか?」
店に戻り、大場さんの姿を確認すると私はすぐ駆け寄った。
「おぉ〜春美ちゃんどこに隠れてた?帰ったかと思って。いないから心配したよ。」
「実はね……」
私は冬香に言われた通りの事を話した。
大場さんは黙って聞いてくれて、話がおわると同時に立ち上がる。
「その冬香ちゃんよく話してくれたな!よし。今から行こう。」
「え?でもまだ夕方…」
「気が変わらんうちに行かなきゃならないよ」
「じゃあ私、一回冬香に確認しに家に行きます!今度は大場さんが隠れてて下さいな」
「いや、危険だろ。家には人殺しもいるし……」
「大丈夫!冬香もいます。私は友達です」
今は冬香の為に何かしたかった。
待ってるだけなんて耐えられない……
「それで、話がまとまったら呼びに行きます。」
「………何かあったら叫んでくれよ。2秒で駆け付ける」
「はい」
互いの意志を確認した後、私達は再び冬香の家へと急いだ…………
「冬香〜いる?冬香〜」
大場さんには近くに隠れてもらい、冬香を呼ぶ。
あれ?いないのかな?
「冬香〜」
「たすっけて………」
「!?」
擦れた声が聞こえた瞬間、大場さんの顔を見合わせドアに手を伸ばす。
「開かないっ」
「ちょいと乱暴に開けるよ」
ドカッ
木で出来たドアは大場さんの蹴りに寄って見事に壊された。
「冬香っ…………」
玄関には血まみれになったおじさんがいた。
「いやぁっ」
「見るな!」
血まみれになったおじさんの横には……………