俺と俺様な彼女 〜出会い〜-1
退屈な学校、退屈な生活、それに
「ほ〜なみ。」
「・・・何?」
「ん〜、相変わらずクールね〜。」
「美奈、二ついい?」
「何〜?」
「あなたとは毎日顔をあわせている。それとどさくさにまぎれて胸を揉まないで。」
「いや〜、つい。」
「ねぇ、美奈。」
「何?」
「私ね、前から一度血祭りってやつ見たいなぁ、って思ってるの。」
「ご、ごめんなさい。」
「まったく…。」
「でもさ〜、そんな冷たい態度とってるといつまで経っても彼氏できないわよ。マジな話。」
「いらないわよ、そんなの。」
「何言ってるのよ、そんないい顔してるのにもったいない。」
「別に普通よ。」
「あはは〜、それ以上言うと刺すわよ。」
「・・・」
「はぁ。まぁいいや、一緒に帰ろ。」
「そうね。」
〜本当の出会い〜
とにかくつまらない。退屈。面白いことなんて何も無い。我ながら無駄な青春をおくっていると思うが、本当に退屈なんだからしょうがない。私の周りの風景は皆白黒だった。
「ただいま〜。」
・・・あれ?
「お母さん?」
誰もいない。冷蔵庫を見ると二つのメモ。
『買い物に行ってきます。』
『友達の家に行ってくる。』
一人か。とりあえず着替えよう。
・・・暇だ。何もすることが無い。この時間はいい番組もやってないし、勉強する気もあまりない。こうなると知ってたら美奈と一緒にどっかに行ってたのに。
・・・本屋にでも行こう。何か新しい小説が入ってるかもしれない。家で一人ぼぉっとしてるよりはましだろう。私は手早く行く支度をした。
公園を抜けていくか。最近変質者が出るそうだがこの時間だったら明るいし大丈夫だろう。私はどんな本を買うか考えながら公園に向かった。
「・・・ん?」
同い年くらいの男の子がいた。いや、別にそれだけだったら普通なのだが、他と違うのは腕組みしながら段ボール箱を眺めているということだ。・・・変質者か。
最悪だ。なんで懸賞とかは当たらないのにこういうのに限って当たるんだろう。それに今朝の星座占いでは一位だったのに。別に占いなんか信じてはいないがそれでも若干腹が立つ。
まぁ、さっさと行けば問題ないだろう。向こうは私に気づいてないようだし。もし絡んできたら急所を蹴り上げて悲鳴をあげればいい。ストレス解消にもなる。
そんなことを考えながら歩調を速めた私の耳に『みゃあ、みゃあ』という声が聞こえた。
…ようやくわかった。捨て猫だ。そういうことか。あの男の子は拾うかどうか悩んでいるんだ。
私は少し様子を見ることにした。どうせ暇だったのだ。それにどうするのか気になるといえば気になる。