smilefriend−aika−-1
宮下と別れて、宮下とヨリ戻して、宮下とまた別れて、要くんと付き合って1時間が過ぎた。
「佐々井チャン〜っ、聞いたよぉ。会長さんと付き合ったんだってねぇっ」
急に屋上に呼び出したかと思ったらその話か、片瀬め。
「えぇっ、そうなの?」
巻き添えをくらって呼び出された和泉はホントに驚いている。
「そうだけど…そんなのどこで知ったの?」
宮下ん時みたいに誰かいたわけでもないし、まだ誰にも言ってないのに。
「そうだよ、愛奈ちゃん。そんな噂まだ聞いた事ないよ」
意外と情報通の和泉も言う。
「う〜ん、実はぁ…勘だったりぃ?」
「はぁ!?」
「えぇ!?」
和泉とアタシは2人して大声をあげてしまった。
かっ、勘かよっっ
つい某お笑い芸人もびっくりな突っ込みを心の中でしてしまった。
「ほらぁ〜、愛奈勘鋭いからぁ。」
舌をちょっと出して上目使い。片瀬の必殺技だ。
「ふ〜ん。やっぱ付き合ったんだぁ」
うっ、なんか知らない間に誘導尋問されてた。
「かっ、片瀬っ。和泉もだけど…要くんと付き合った事、あまり人に言わないでっ」
2人はキョトンとした顔でアタシを見る。
「いいけどぉ…なんでぇ?」
「だって要くん、みんなに人気あんだもん。恨まれそうだし、ねっ?」
なんて、ホントは違う。
ホントは…宮下に知られたくなかった。
軽蔑されたくなかった。
アタシ、まだ宮下の事好きだから…。
でも、そしたら何で要くんと付き合ったの?って聞かれても困るけど。
「藍華ちゃんも会長に劣らず人気あるよ?」
いつもの笑顔で和泉が言う。
んなワケないじゃんっ!
「そーゆう和泉チャンはどーなのぉ?」
「へっ?」
「好きな人とかぁいるんでしょぉっ?」
和泉の顔が途端に赤くなる。
片瀬の誘導尋問、本日2回目。