それでも生きていく-1
誰かを亡くして悲しいのは
どれだけその人を想っていたかの証
だから…
想い出を胸に、
人は生きていく
━━━━━━
朝起きて
カーテンを開ける
窓から見える空はこの上ないくらいの快晴で、
世界は暖かみを帯びながきらきらとら輝いている
なのに、私の心は暗闇のなかにいるまま
空が快晴だろうと
世界が輝いていていようと
私には関係ないと思った
ここには『彼』がいないから
こんなところにいる意味がないと思った
だから…
彼のお葬式が済んだら
私も彼のもとへ行くって決めたんだ
――――――
彼が死んだのは二日前
別に突然のことではなかった
病気だったから…
「普通の付き合いができなくてごめんな」
これが彼の口癖だった
21歳のときから死ぬまでの二年間
彼は毎日のように言い続けてた
私がどんなに気にしてないと言っても
言われすぎて無性に腹が立って怒ったこともあった
でもよかったと思えていたこともあったの
あなたは…どんなに「ごめん」って言っても
決して「別れよう」とは言わなかったよね
それはすごく嬉しかったよ
それはある意味救いだったよ