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School days
【学園物 官能小説】

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School days 4.2-1

<もう五日もご無沙汰だろ?そろそろ会わない?>
《ごめんm(__)m最近忙しくて、そんな暇ないんだ。ヒロなら他にも相手いるでしょ》
送信ボタンを押すあたし。相手はあたしの友達だ。その頭にsexがつくけど。
『忙しい』。そんなの嘘だ。会おうと思えば時間は作れる。あたしが断るのは別の理由。

あたしは携帯を机に置いて窓へ寄った。深夜。明かりが点いている家なんて殆ど無い。
携帯が鳴る。振り返ったあたしの目に映るあたし。鏡だ。首よりの鎖骨がほんのり朱くなっている。
――あいつめ…
手の平をあてる。キスマークなんか残しやがって…

空いた手で携帯を手繰り寄せ、画面を開いた。
<何だよ、冷たいな〜。俺は梨衣とシたいのに>
ふう、と短く息を吐く。
申し訳ないが、あたしにはそんな体力なんて無い。柿沢に抱かれるのでクタクタ
になる。他の男ともシてたら、あたし死んじゃうよ…

あたしと柿沢は、あれ以来ほぼ毎日の様に体を重ねてる。誘うのはあいつ。あたしの席の近くを通る時に小さな紙切れを置いていく。
誰も気付かないよう
素早く、何気ない顔で。

その紙には単語が並べてある。場所と時間。
二人がそこへ集えば、後はなるようになるだけ。

熱くほてる体。
触れる指先、唇、髪。
あたしはこれ以上なく乱れ、柿沢はこれ以上なく卑猥な言葉を囁く。

コトが終わればいつも、体は鉛の様に重く、頭は朦朧としている。
さすがに筋肉や節々が痛んだりするけれど、あたしにはそれもまた心地良かっ
た。まるで部活後みたい。


翌日。いつものざわめく教室。このうるささ、あたしは好きじゃない。頭の中が
掻き回されるように痛む。廊下にでも出よ…

「なぁ、柿沢。英語の予習してあるか?」
「うん」
「頼むっ、俺今日当たるんだよ、見せてくれ!」
「ああ、いいよ」

そんな会話が後方から聞こえてきた。二人の時とは違って、澄んだ優しい声。
きっとその声と共に、爽やかな笑顔を浮かべてるんだろうよ。
こいつのあの姿見たら、みんな驚くんだろうな。あたしでさえ戸惑ったんだから。
廊下の窓を開け放つ。少し冷たい風が入ってきた。二月だってのに、なんでこう
温かいのかねぇ。地球温暖化か?

「はー、だり〜…」
すぐ横で声が聞こえてギョッとする。柿沢が窓にもたれて立っていた。
「なーんで愛想振りまかないといけないんだろ」
「じゃあ止めればいいのに」
「相変わらずお前は単純だな」
柿沢が苦笑する。ムッとするあたし。
「うるさい。ほっといてよ」
全く腹立つなー。あたしはそっぽを向いた。
「悪かったよ、機嫌直せ」
無視。
「なぁ、梨衣…」
「…っ!」
あたしは耳を押さえて奴から離れた。ニヤニヤと柿沢が笑っている。
耳元で、しかも低い声で名前を囁くなんて卑怯だ…
「シたくなった?」
「馬鹿」
コイツには悔しいけど勝てたもんじゃない。
「てゆか珍しいね?日中に話しかけてくるなんて」
「あ?ああ。気使わなくていいのお前だけだし、疲れなくていんだよな」
「何それ。褒めてんの?」
「当たり前だろ」
そうは聞こえないんだけど。なんかペットみたいに言われてる気がする…
「知らないよ、評判落ちても」
「ん?なんで?」
柿沢が不思議そうに尋ねる。
「あたしなんかと話してるから」
なんだそんなことか、と柿沢は笑った。
「イイヤツだからこそ誰にでも優しい、ってみんな思うだろ」
ならいいんだけどさ。
本人は気付いていないようだけど、柿沢ってモテてるんだよね。女の恨みをかうのは勘弁なんだから。


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