LoveBand1-1
「ぜん〜」
呼ばれた俺は、急いで起きて時計を見た。
(なんだ、まだ6時半じゃん)
「ぜん〜」
再び呼ばれた俺はとりあえず起きることにした。
(寒いな〜、雨降ってるし)
今日は4月8日。昨日が高校の入学式で、今日から登校。
2階から下りてリビングへのドアを開ける。
そこには一緒に食事をしている母と姉の姿があった。
「早いな」
「何言ってんの、今日はバスなんだから、はやくしないと乗り遅れるよ」
「あー」
俺の名前は相葉 前。そして今話しているのは俺の姉、詩織だ。
俺は朝食を食べ、顔を洗い歯を磨き制服に着替え今玄関のドアを開けた。
姉とふたりで家からバス停までの道を歩く。
はぁ〜、雨の日ってのはめんどくさい。このバスを逃すと次はなんと1時間後だ。せめて30分後であれば……
て訳で俺はまだ生徒の全然いない駅から学校までの道を歩いている。姉はコンビニで弁当を買っていくということで今は俺一人。
−−−−−−−−−−
学校に着いた。
さすがに人が少ない。静かだ。
こんな時間に教室に人はいないだろう、そう思い俺は教室のドアを開けた。
が、そこには一人の美少女がいた。窓の外を見ている。俺の方には見向きもしない。
(まぁいいか)
何故だろう。
俺の席はその美少女の前であった。
理由はさておき俺は声をかけてみることにした。
前「俺、相葉前。よろしく」
「右島理奈、よろしく」
(なんか素っ気ないなー。まあいっか。)
俺はそれから右島と話すことはなかった。
そしと昼休みになった。
「ねえねえ」
俺は後ろから声をかけられた。後ろっていえば…右島か?
振り返ってみた。やはり右島だった。
前「何?」
右島「バンドとかって興味ない?」
前「バンド?」
いきなり何を言い出すんだコイツは。
右島「そっ、ねえ一緒にやらない?」
前「やってみたいけど、俺全然楽器とかできないぞ」
右島「いいのいいの、そんなのは。」
いいのか?
右島「じゃあついて来て」
前「え!?おい!どこ行くんだよ」
右島「がくしょく」
前「学食?」
右島「うん。ご飯食べながら話そ!」
前「あ、ああ」
右島「あっ、それと、私のことは理奈でいいから」
前「分かった」
そんな訳で俺は理奈と二人でカレーを食っている。