投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

カーテンと机とつぶれた気持ちの最初へ カーテンと机とつぶれた気持ち 29 カーテンと机とつぶれた気持ち 31 カーテンと机とつぶれた気持ちの最後へ

ワスレモノ-8

「それを受け取った瞬間に積み上げてきたものが崩れ去るとしたら‥‥‥‥どうする?」

彼の質問の意図が読めない。一体、どんな答えを求めているのだろう‥‥‥。
でも答えは一つ。

「私ならすぐにでも手に入れる。周りのことや後先を考えて、躊躇ってしまうようなものだとしたら、本物じゃないかもしれないし‥‥‥。まぁ、そうは言っても気にしちゃうのが人ってモノなんだろうけどさ‥。あんまり私の意見は参考にならないね‥。」

そう言って彼を見たら、驚いているような‥でも真剣な眼差しで私を見つめて

「山田さんらしいね‥。」
と言った。
私らしいってどんなことがだろう。物欲が激しいとか思われてるのかな‥。

「じゃあ、また明日。」

「うん、気を付けてね。バイバイ。」





私は繋いでいた手に残る彼の温もりを握り締めて家に入った。

その手を開いた瞬間、忘れかけていた、あの‥胸を焦がすような想いが押し寄せてきたことに、私は気付かないふりをして瞼を閉じた。


―続―


カーテンと机とつぶれた気持ちの最初へ カーテンと机とつぶれた気持ち 29 カーテンと机とつぶれた気持ち 31 カーテンと机とつぶれた気持ちの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前