第二話 気になる彼女と、迷惑なヤツ-2
「うあっ!?早えぇ!!」
急いで和真も教室を出る。
「なぁ!時羽さん!!」
ゆっくりと彼女が振り返る。
「・・・確か武藤君・・だっけ・・?」
(俺の名前覚えててくれてる!?)
なんて喜んでいるが、数助ェ前に自己紹介したばかりなのだから覚えていて当然だろう。
「何の用かしら?」
やはり綺麗な澄んだ声で、当然の質問をする。
「あ〜・・いやっ・・・あのさ、俺この学校に知り合いいなくて・・・そんで〜・・時羽さんも1人っぽかったから?その〜・・一緒に帰らない?・・・って訊こうかと・・。」
しどろもどろで訊く和真。
彼女は少し首を傾げながら、無撫?ナ一言。
「別に高?ネいけど・・。」
まさかのOK。
「えっ!マジで!?良かったぁ!!」
「でも、あなた何処に住んでるの?私は駅方面とは逆よ?」
「あぁ、なら大丈夫。俺も歩きだから。」
「そう。なら、早く帰りましょう。」
などと話しながら、2人は帰る事にした。
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帰り道
「へぇ、時羽さんも一人暮らしなんだ。」
「も、と言う事はあなたも?。」
お互いの事を話し合う二人。
「俺の両親どっちも世界を飛び回る様な仕事してるらしくてさ。よく知らないけど。」
「知らないの?変わった家ね。」
「まぁね。時羽さんはなんで?」
会話の流れから当然の質問をする和真。ところが、答えを聞いて驚く事に・・・。
「私の父は会社の社長で、母はその秘書なの。知らないかしら?時羽カンパニーって会社。」
「はぁっ!?と、時羽カンパニー!?あの、日本でトップ5に入る大企業の!?」
「そう、それ」
サラッととんでもない事を言われた・・・。
(マジかよ・・っ!なんとなく言動が上品だとは思ってたけど、まさか大企業の令嬢だとは・・・!)
和真が脳内で激しいリアクションをとっていると、
「あ、私の家ここなの。」
と、何とは無しに彼女が指差したマンション。
「ぬあっ!?こ、ここは、この辺りで最高の高級マンション『クロガネ』!!!」
「それじゃあ、また明日。」
何ごとも無いかの様に彼女は帰って行ってしまった。
「・・・。」
一人取り残された和真。
「・・・帰ろう・・・。」
今日は驚き過ぎで訳が分からない上に、なにやらお疲れの和真は、早々に帰る事にした・・・・・が。