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不良少年の日々
【コメディ 恋愛小説】

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第二話 気になる彼女と、迷惑なヤツ-1

なんとか始まった入学式。なにやら自分の周りがザワザワしている。

「ねぇねぇ、あの人髪の色赤くない?」
「っていうか、制服の下に着てる服、校則違反よね?」
「もしかして、アイツ不良じゃないか?」
「不良じゃないかっていうか、アイツ不良じゃん!」


いろんな陰口が聞こえてくる・・・・泣きそうだ。

「しっかし、ホントに皆真面目だねぇ。」

そう。みんな髪は真っ黒、制服は男子は学ラン、女子はセーラー服を校則に違反する事なく着ている。
それに対し和真は、髪は赤みがかっているし、制服は第二ボタンまで開けて中に着ている黄色いシャツが丸見えだった。

「くっそ〜。いくらなんでもイキり過ぎたか・・・っ!」

などと落ち込んでいると、河童のような頭をした校長のクヲキく、ありがたくないお話が終わった様だ。

「では、みんなには教室に移動してもらう!」
と、先生が大きな声で言った途端に、和真の周りの人間がサッ!と離れて行く。

「そんなにビビらんでも・・・。」

教室に着き、黒板に書いてある通りにみんなが座っていく。
和真の座席は窓側の一番後ろ、最高の場所だ。

「いやぁ〜今日は厄日かと思ったけど、唯一これだけが救いだったな!」

そして男の担任が入って来て、皆に自己紹介をした。名前は『藤田』と言うらしい。・・・あんま興味ない。
一番後ろなので、クラス全体がよく見えるので見渡していると、端っこの方に長くて綺麗な銀髪の女子が見えた。

「お?俺よりド派手な髪のヤツいんじゃん。どう見ても日本人だから、染めてんだろなぁ。」

担任があらかた話終えた後、1人ずつ自己紹介するように言った。
まぁ、言うまでも無く、俺の時にはみんなの様子がおかしかったけど気にしない、気にしない。眼から出てくる液体は汗だと信じたい・・・。

そして、例の銀髪の女子の番が回ってきた。

「時羽 紅(ときは くれない)です。黎明学園中学校から来ました。よろしくお願いします。」

涼しげで、凛とした綺麗な声だった。また、その容姿も端麗で、和真は完全に見取れていた。

「黎明学園中学校だってよ!」
「黎明って、あの超レベル高い学校で有名な、黎明でしょ!?」
「ド派手な髪してっけど、頭良いんだな・・。」

確かに、黎明学園中学と言えば名門中の名門。しかし、和真はもうすでにそんな事はどうでもよかった。

「俺はこの学校に知り合いいないんだ。どうせ友達作らなきゃならないなら、あの娘に話し掛けてみるかな。」
そう思い、帰りに話し掛けてみる事にした。

「起立!礼!」
「「「さよーなら!!」」」

担任とみんなの声が響いた。
パッと時羽の方をみると、すでに荷物を持って出て行こうとしている。


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