戸惑い-2
―スッ…―
「…っぁ!」
え、何!?
ふと胸元を見ると、昂太のごつごつした手が胸を這っている。
「女らしい声…出るやんか」
「こう…た…こんなの正気じゃないわ…さっさと退き…あっ!」
昂太の手があたしの着ている物を捲り上げる。これ以上はやばい!
あかん!あかん!
「こっ、昂太!あたし彼氏おんねん!だから…」
「分かってる。」
昂太があたしの言葉をさえぎる。
「正気じゃないなんて…分かってる。なおかつ、おまえに欲情するなんて」
正気とかやなくて彼氏がおる言うてんのにー!
しかも最後の一言は余計や!
「きゃぁっ!」
昂太がにあたしの上半身を露出させ、そして昂太はあたしの小振りな胸を揉みしだく。
「ちょっ…止めてや!」
―ぴちゅ…―
「…っ!?」
昂太の舌があたしの胸を…その先端を這っている。もちろん手でもう片方の胸をいじるのも忘れない。
「あっ…」
「お、感じてきた?」
「うるさい!こんなことして…絶対許さん!」
そうあたしが言った後。昂太の顔が切なげに歪んだ気がした。それと同時に、あたしの心もどこか音をたてて痛んだ気がした。
襲われてんのはあたしなのに…
そんなことを考えてる間に昂太の手はお腹周りを這って、とうとうズボンに手をかけた。
「リン…腰浮かし。そろそろ観念せぇ」
あたしは素直に腰を浮かす。あの切なげな顔を見たら何も言えなくなってしまった。
…あたしもおかしいわ…
「いい子や」
そう言ってキスを、あたしに降らせた。おでこ、ほっぺ…唇以外には全て。
唇、以外には。
その間、昂太の手は最後の一枚をはぎ取りあたしの薄い茂みを掻き分け始める。そして。
「ひゃぁぁっ!!」
昂太の指がピンポイントであたしの膨らんでいた突起に触れる。
強い刺激。
あたし今までこんなに感じたことあったっけ…
―くちゃっ―
「んあっ!」
「えろい音すんねんな。おまえのここ」
昂太の指が。
あたしの中に入り…かき回す。
快感に酔いながらふと昂太の顔を見上げると、まだ切なげな顔。
どうして?
後悔してるん?
昂太の視線があたしの視線をとらえる。
顔が近づく。
あ、唇―…
それは寸前で止まった。少し顔を上げれば、触れられる距離で。
「リン…挿れるで?」
「え、あ、うん…」
唇―…キスを、期待してたんやろか?あたし…
「ふっ…」
熱い塊があたしの中に入ってくる。
「あんっ!あっあっ…」
昂太が激しく腰をぶつける。
「リン…リン…!」
なぁ、昂太。これが昂太の気持ちなん?この激しさが…この熱が昂太の―…
「リンっ…俺もう…」
「いいよ…」
あたしは昂太の頬を手で包み、右の頬についばむような口付けをする。
あたし、愛しいと…思ったんやろうか…
あたしのキスを受けて昂太の腰使いが一層早く、激しくなる。
「あぁっ!あっ!こー…た!」
「…っ!リン…リンも…いって…」
そう言って昂太はあたしの奥の奥を激しく一突きした。
―ぐちゃっ!―
「っあぁっ!!」
「っふ…リン…」
やってもた…
あたしは隣で眠っている昂太のサラサラの髪を手で梳きながら思う。
はぁ…
暖房もついてない部屋に白い息が舞う。
結局シンちゃんからのメールも返してないし…
でも…どの面さげて返せ言うねんよ…
これからあたしどうなるんだろう―…