『ルイのネックレス〜半透明の同居人より〜』-3
四五〇円
僕の貯金は四百円。でも、今月の小遣いの残りを合わせると四五〇円ギリギリあった。僕は悩んだ。今月は残り二週間もある。のこりを小遣い無しで過ごすことになるのは、結構痛い。シンヤと駄菓子屋へ行っても自分だけ何も買えないのは歯がゆい。
でも、僕は心に決めたんだ。今使わずにどうすると。
次の日に、僕はルイにそのネックレスを渡した。
「いいの?飛行機は?」
「僕が当てたときは飛行機もうなくて、これしかなかったから。僕が持っててもしょうがないし」
「そうなんだ・・・ありがとう!大切にするよ」
ルイはそう言って目いっぱい笑顔だった。
それがきっかけで、僕とルイはよく遊んだりするようになった。
その後の二週間はやはり厳しかった。何も買えないのに駄菓子屋に行くのは想像以上に過酷であった。しかも、飛行機のプラモデルはその二週間の間に、見事シンヤが当てたのだった。しかし、不思議と僕は悔しくなかった。