投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

伊藤美弥の悩み 〜受難〜の最初へ 伊藤美弥の悩み 〜受難〜 51 伊藤美弥の悩み 〜受難〜 53 伊藤美弥の悩み 〜受難〜の最後へ

恋人達の悩み2 〜Double Mother〜-4

「会いたかったわあああっ♪♪♪」
その人物は、迷う事なく竜彦へ抱き付いた。
「ご飯ちゃんと食べてる?彼女作った?職場は快適?ママ、心配よぉ?」
一通りまくし立ててから、彼女は龍之介へ目をやる。
龍之介はまだ、美弥にすがっていた。
「……!」
キリキリと、彼女の目尻が吊り上がる。
「龍ちゃん、不潔!!」
「ふけっ……!?」
美弥は思わず声を出した。
「龍ちゃんが女の子に触ってるなんてえええっ!!」
彼女はそこできょとんっ、とした顔になる。
「龍ちゃんが……女の子に触ってるうううっ!!!」
ぎゃんぎゃんとやかましい人だ。
「ウソウソウソぉ!?龍ちゃん、いつから女の子が平気になったのぉ!?」
龍之介は苦笑する。
「あのね……いつから、じゃない。僕が触られても平気なのは、未だにこの子だけ」
それを証明するように、龍之介は美弥に触れた。
「へ〜……あ、名前はなんて言うの!?」
そう言われて、美弥はまだ名乗っていなかった事に気付く。
「あ……龍之介君と親しくさせていただいています、伊藤美弥と申します」
「あ、名前で呼んでる……龍ちゃん、いい子見付けたわねぇ」
彼女は、にこりと微笑んだ。
「初めまして。私は、高崎巴」
美弥は失礼にならない程度に、彼女……高崎巴を見る。
――若い。
お肌のハリといいツヤといい、どう見ても三十半ばを……いや、二十半ばも越しているようには見えない。
だが……竜彦は二十半ば辺りなのだから、十代のうちに産んだとしても四十前後のはずだ。
そして……服装が凄い。
ひらひらふりふりのレースをたくさん使った、ブラウスとスカート。
それらが異常な程に似合っているのが、さらに凄い。
「で……母さん」
一段落したところで、竜彦が声を出す。
「あら」
高崎巴は、むっとした顔になった。
「母さんじゃなくてママって呼んでって、ずっと言ってるでしょ?」
竜彦ががくうっ、とつんのめる。
「二十六にもなって、母親をママなんて呼べるかぃ。」
「ぶ〜」
巴は拗ねて頬を膨らませるが、それがまた妙に似合っていた。
「……龍之介」
「……ん?」
「言われた事……何となく、意味分かったわ」
確かに、色々な意味で凄い人である。
「だろ?」
龍之介は苦笑した。
「これだからどうも苦手で……」
竜彦が巴をあしらっている隙に、龍之介は美弥へそう耳打ちする。
「産んでくれたのに、申し訳ないんだけれどね」


「にしても……何でお母さんが帰って来るってだけで、あそこまでおーさわぎしてた訳?」
龍之介の部屋に落ち着いた美弥は、不思議そうな声を出す。
――美弥と龍之介は外に出ようとしたのだが、『いや〜ん。これからご馳走作るんだから、食べてぇ』という巴のおねだりに負け、次善の策として龍之介の部屋に逃げ込んでいた。
「覚悟ができてなかったんだよ」
気まずそうに、隣へ座る龍之介が弁解する。
「この一年ほとんど音沙汰がなかったのに、急に『ご無沙汰してるから、様子見に行くわね』って言って、いきなり帰って来るって……」
龍之介は美弥を抱き締めた。
「はぁ……落ち着く」
美弥の肩に顎を乗せ、龍之介はそう呟く。
「あ……!」
美弥は身じろぎし、体を離そうとした。
「体は落ち着いてないじゃないっ」
龍之介は、しっかり勃起している。
「抱いてるから、体が反応してるだけ。えっちする気はないよ」
「……ないの?」
何故か不満そうな美弥の声に、龍之介は吹き出した。
「したかったんだ?」
「だって……」
美弥は唇を尖らせる。
引っ付いていると、体が要求するのだ。
『龍之介に抱かれたい』と。
龍之介にとっては、『美弥を抱きたい』と体が要求しているのだろう。
「僕は構わないけど……下で母さんが騒いでるのにえっちする勇気、ある?」
「……」
美弥は龍之介にしがみついた。
「えっちは無理でも……くっついてたい」
囁くと、龍之介が頷く。
「ん」
龍之介の腕が、美弥を包むように抱き締めた。
だがそうやってくっついていると、龍之介に抱かれたくて体が勝手に濡れてしまう。
自分の危険日以外に取り立てて禁欲期間を設けてはいないのだから、龍之介程に我慢強くない美弥は堪らない。


伊藤美弥の悩み 〜受難〜の最初へ 伊藤美弥の悩み 〜受難〜 51 伊藤美弥の悩み 〜受難〜 53 伊藤美弥の悩み 〜受難〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前