HAPPY LIFEJ-4
「ねぇ、コレ見ていい?」
「いいけど、後でお前のも見せろよ」
「ふぅ〜ん」
「ふぅ〜ん、って何だそれ」
お互い笑いながらそれを手に取った。
「雄大、何組だった?」
「俺?C組」
「…あぁ〜いた!あんまり変わってないね、すぐ分かっちゃった」
「そうか?これ、ウチのクラスの山口だよ」
「え!うそ?全然違う!」
「彼女ができてから変わったんだよ、コイツ」
「へぇ〜そうなんだ」
(彼女ね…)
「…あっねぇ、さっき自転車置場で話してた子、誰?ウチの生徒じゃないよね」
「え?!もしかして見てた?」
「見てなかったらこんなこと聞かないでしょ」
なんか怪しい、この慌てぶり。
「告白でもされた?」
わざと冗談まじりに言った。
「う、ん」
「……」
「………」
あぁ〜やばい。泣きそう。こんなこと自分から聞くんじゃなかった。
一方雄大は何でもないようにさっきからみていたテレビのお笑い番組を見始めた。
「………」
「なに、妬いてんの?」
「そっそんなんじゃないし!」
「お前動揺しすぎ」
笑いながら私をからかう。
「気になる?なんて返事したか」
「……」
「信用してよ、俺のこと」
「別に信用してないわけじゃないけど、やっぱり気になるじゃん」
「俺さ、今もこれからも明日香以外は考えられないよ」
雄大の言葉一つ一つに全神経が集中して、テレビの声なんて全然聞こえない。
「だからさ、信じてよ」
ずるい。こんな時に、こんなこと言うなんて。うれしすぎ。
膝を抱えて小さく蹲ったら、目に溜まっていた涙が一気に溢れ出た。