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また一つニキビが増えた。これで3個目。多分胃が弱っているから。だからすぐ胃がもたれて、晩ご飯が食べられなくなるんだ。受験のストレスも原因だろう。あと、人間関係とか恋とか愛とか…思い当たる事が多すぎて、どれが直接の原因かもう全く分からない。分からないけど、お腹が鳴った事は分かる。
「お腹空いたなぁ」
まだ、だめだ。今食べると太っちゃうや。明日の朝食べよう。そういえば、最近1日2食だな…いや、おやつ食べてたな。

気付けばもう朝の7時だった。携帯の目覚ましがヴーヴー鳴り続けている。
「…んー分かったから止まって」
乱暴に電源ボタンを押すと、やけに静寂が耳についた。しーんという音が聞こえてきそうだ。
「あー…何かカツと卵とご飯が食べたいなー。」
つまり早い話がカツ丼だ。
「…彼氏に言ってみよ。」
カチカチ…カツ丼食べに行かない??…送信。
まぁ返ってくるのは昼過ぎかな。何か考えてたらどっちでも良くなってきたな。取りあえず朝ご飯食べよう。

本屋で参考書を買って、取りあえず読めって先生に言われたから取りあえず読む。数ページ読んで、
「…疲れた。」
更に数ページ読んで、
「…飽きた。」
何じゃこりゃぁ…つまらん。全く以て、面白くない。だが、読まなければ次の授業で話にならないから、とにかく読む。

昼の12時。無駄に元気なバラエティ番組が流れている。あ…
「…お腹空いた。」
彼氏からメールは…ピピッ…センター問い合わせ…新着メールはありません…カチャッ。ですよね。そりゃそうですよ。だってまだ起きてないもんね。
「…。お腹空いた。」
もういいや。クッキーをつまみながら、ひたすら読んだ。

昼の2時。
あぁ、もう待てない。起こそう。そう思ったとき携帯が鳴った。
カチ…ごめん、今から行くから待ってて!…カチカチ…了解★…送信。
もうクッキーを10枚食べていたのでお腹なんて殆ど空いていないが、カツ丼くらい食べれる………だろう。

「あーめちゃ美味しかった!」
「オレもー」
彼の口癖は、『オレも』。本当に『オレも』同じ事を考えているのか聞いた事があるが、結局よく分からなかったので考えないようにした。
「あー。海。」
「海好きだったよな?」
「うん!」
前は、ね。今は、なんだかちょっとだけ恐くなった。何故だろう。やましい事なんてない、はずなのに。
不意に胸が締め付けられるような感覚になり、うつむく。
「どした?」
「何でもないよ。今日はちょっと寒いねー。」
「だね。もうちょっとあったかい所行こうか。」
「うん。」
彼は優しい。私はまだ彼が怒った所を見た事がない。それとも私が気付いてないだけなのかな。


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