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月が闇を照らす時
【コメディ その他小説】

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わわわわわなななななだだだだだ-1

「えぇぇえぇえぇぇぇえええ!! 緑がミスコンに出るぅ!!」
誇らしそうに胸を張った緑が俺の前でなにやら奇妙なポーズをとっていた。
「そうです、竹中君達が推薦したんだって。 やっばり見ているひとは見てるのね」
デスと戦ってほぼ3ヶ月たっただろうか。
最近は何故かドミドの出現数が減少傾向にあるため、俺達ドミドバスターはそれなりに暇な日常を送っていた。
「で、何のミスコンにでるんだよ?」
「なんていったかな? そうそう、ミスディケなんとかみたいなそんな名前だったと思う」
「聞いたこともねぇ、あれだよ竹中達に騙されたんだよ。 今ごろお前のノリノリな態度をみて笑ってんじゃねえの」
「私だって最初はそう思ったわよ。 で本当かどうか竹中君達に竜巻みせながら『からかってるだけだったら消すわよ』って言ってやったんだけどね」
教室の隅に追い詰められてブルブル震える数人の男達、それに笑顔で手には極小の竜巻を従えた女が……
想像するだけで怖い……
「そしたらいきなりそのミスコンのプロデューサって人が現れて。『君ならグランプリも夢じゃない』とか騒ぎ出しちゃってさ」
「それで褒められてるうちにだんだん乗り気になって来たってか?」
緑はまぁねといいながら上機嫌に体をくねらせていた。


「バレてないだろうな」
「あぁ、バレたら殺されちまうからな」
「だけど、出場しちゃったらバレるんじゃ」
「大丈夫だよ、なんとかなるって」
薄暗い部屋に数名の男が頭を付き合わせていた。
「そんなことより、あいつが本当に取れるのか? 俺はそっちのほうが心配だ」
「確かに、保険をかけといたほうがいいかもしれん」
黒い影達は無言の肯定で持って答えた。


〜ミスコン当日〜
会場となっていたのは何度もナノコン(ナノマシーン能力コンテストの略で選手が自身の能力を駆使して色々なアトラクションをクリアしていく次世代スポーツ)が行われたドームであった。
どんな能力を使用されても壊れず、さらにカオスの発生を極力おさえる特殊な建材で作られている。
「うわ、すごい人」
ざっと見渡すだけでも1万、いやそれ以上の人が集まっていた。
「多分、半分以上は芸能界の関係者じゃないか? 新聞記者とかニュースの取材の人だとか、芸能事務所の人とかさ」
「と言うことは、グランプリになれば私も芸能界の仲間入り!?」
緑は目を輝かせ、手を力強く握った。


「第五回、ミスDKTKコンテスト、スタートです!」
舞台には順々に女の子が登場してゆく、司会の男は一人一人の名前とPR文のような一言を付けて言った。
「エントリーナンバー8番、西島緑ちゃん! 最年少ドミドバスターとして活躍中、今日もみんなの町が彼女によって守られている!」
司会者が紹介している間に舞台の袖から緑が登場し、舞台の中央部でクルッと一回転、最後に明らかなよそいきスマイルを全開にして女の子達の列に並ぶ。
「エントリーナンバー9番、品垣凪ちゃん!」
は!? 凪がなんで出てんだ!?
緑も舞台上で明らかに驚きを隠せない様子だった。
「家が剣術道場で彼女も生粋の剣術娘! ドミドバスター仮免も取得しその剣術を人々の役に立てるのが夢だそうです!」
ぶすっと不機嫌そうな顔で嫌々クルッと回り、早歩きで緑の隣に並ぶ。
あいつ、なんのために来たんだ?


「凪ちゃん、なんでここにいるんですか?」
凪にしか聞こえないような小さな声で語りかける。
「知らん。 剣術大会だと言うから来て見れば、なんとも馬鹿馬鹿しい……」
凪は拳をぐっと握り少しオーラをまとわせる。
「奴等め、後で叩きのめしてやる」
緑はあまり触れないほうがいいような気がしてそれ以上話かけなかった。


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