男の子 ※BL-2
…でも
…本当は…
…分かっちゃったんだ…
…僕は…
あの時、、先輩の顔が迫ってきたとき、目の痛みなんかより、、
胸が…「ドキン…」って…
一瞬なのに、すっごく長くてすっごく胸が痛くて
…コノママ、ウバワレテモイイッテ…
ずっと、僕はノーマルだと思ってた。
彼女は居なかったけど、クラスメイトや部活のときとかも女子の話をしたり、普通にあの子かわいいな〜なんて思ったりしてた。
でも、わかっちゃったんだ。
…ボクハ、センパイガスキナンダ…
タイムが上がれば、ほめてくれる先輩が…
いつも、遅くまで居れば一緒に残ってくれる先輩が…
あの笑顔が…
あの声が…
そうやって、何も言えず、何日も何日も過ぎて、、
家に帰っては先輩を思い浮かべて。
あの日のコトを思い出して…
「夏彦先輩…」
僕は机に向かった。
便箋を一枚ちぎってペンを走らせた。
口には出せない想いを沢山沢山…
いえない言葉を沢山沢山…
出来ないことを沢山沢山…
書き綴った。
終始先輩を想って…
そしてまとめて手紙にする。
書きあがった手紙を宛名の無い封筒に入れて机にしまう。
いつの間にかコレが僕の日課になっていた。
そして…
それをやり遂げた瞬間…
熱いものが頬をこぼれる。
「先輩…」
幸せそうな先輩の笑顔の先には彼女が居る。
僕だけが知っている。
先輩と彼女の関係。
真面目にお互いのことを考えていたり、
二人で居て、楽しかったことやその報告をするいつもより笑顔の先輩。
ノロケを言って照れ笑いをする先輩。
時には悩みごとを聞いたこともあった。
どうあがいても
手が届かない先輩。
いくら僕が頑張っても
いくら一緒に居ても
どんな面白いときでも
どんな嬉しいときでも…
僕に向ける笑顔は…
本当に僕が欲しい笑顔じゃないんだ。
どんなに想っていても
先輩が、僕を恋愛対象にするわけは無いんだ。。。
そうやって…また今夜も夜が更けていく…
また明日も…先輩に会える嬉しさと
僕だけが抱える邪な心への罪悪感と
決して手の届かない悲しみにつつまれて…
夢に落ちていく
また…夢に堕ちていく…