natulal reration.2 〜SIDE絢〜-1
「もうこの関係やめにしないか?」
まだこのことばが頭に響いてる。
何も言えずに頷くことしかできなかった。
悠ちゃんを騙した罰かなあ。
私は嘘をついた。練習と言う嘘を。
とっくに翔くんからのお付き合いは断ってた。
確かに始まりはおかしいかったと思う。
でも…私…悠ちゃんがいいんだよ。
翔くんはただの口実。
悠ちゃんに触れてほしくて。
「必要ないだろ?」
必要だよ。小さい頃からずっとずっと好きだったのに。
私はただの幼なじみにしか見えないのかな…
女になれないのかな…
それに追い打ちをかけるように悠ちゃんは彼女ができた。
相手は学校一美人の山本さん。私なんかがかなう人じゃない。
悠ちゃんもすごく格好よくて優しくて人気者。
お似合いだと評判の二人…
どんどん惨めになってくる。
それに体の繋がりがなくなってから、悠ちゃんとの繋がりさえなくなった気がする。
私と目があっても逸らされてる。
どうしたらよかったのかな…
ある日山本さんから呼び出しがあった。
なに言われるんだろう…
すごく怖い。
悠ちゃんのことだよね…
誰もいない教室で不安になりながら待っていた。
「お待たせしてごめんなさい」
「っあ…いえ、私も今来たところです」
すらっと伸びた手足、整った顔立ち、手入れの行き届いた髪。
やっぱり綺麗だなあ…さすが悠ちゃんの彼女になる人。
「お話って言うのは…わかってると思うけど、悠の話なの」
悠…呼び捨てしてるんだ。私もしたことのない恋人同士の呼び方。
そんな私を尻目に山本さんは話を続ける。
「本題だけど、絢さんは…悠のこと好きなの?」
どきっ
心臓が飛び跳ねた…でも本当のこと言っちゃいけない。悠ちゃんの幸せを壊しちゃだめ。
口に出しちゃいけない…
「…違…ぃます…悠ちゃんとは幼なじみってだけです」
嘘ついちゃった…
「そうなんだ。わかった。悠っ!!きてきて」
ガラッ
「だから言っただろ。俺と絢はなにも関係ないって」
えっ……嘘……?
悠ちゃんが現れるなんて…
聞かれた…よね。
私の気持ちなんかどうでもいいだろうけど。
「話はそれだけですか?では帰ります」
居てもたってもいれなくなって
作り笑顔をして教室を飛び出した。
私の想いはもう届かないよ…