Deriving Story〜遭遇〜-1
「ねぇ義也くん、勉強教えてくれない？」
「うん、いいよ」
Deriving Story〜遭遇〜
私のクラスにはカッコよくて人当たりも良くて優しい男の子がいる
「真弓は教えてもらわないの？」
「私はいい」
「なんで？真弓、頭悪いんだからテストやばいんじゃない？」
「余計なお世話よ！」
ご多分にもれず私は彼に惚れている
でも彼は女子にも人気あるし、誰に対しても優しいから私は自信がない。
「真弓、帰ろ！」
「あ、ごめん今日は用事あるから」
「そっか、分かった」
「ごめんね、また今度ね」
と私は友達の誘いも断り一人である場所へと向かっていた。
う〜ん、ない！
ここにもないなんて、もう三軒目なのにな
今日は『LIFE BREAKER４〜完膚無きまで叩き潰せ！〜』の発売日
私このゲーム大好きなのにな、次のところ行くか
別にゲーム好きだけど、オタクじゃないわよ！
プレイ時間だって一日五時間しかやらないし。
それにしても、なんでどこも売り切れなのよ！
ん、予約しろって？
分かってないわね、予約しないで見つけた時のあの狂喜の感覚がたまらないのよ！
はぁ、結局四軒目も売り切れか、それだけ人気あるってことね、
（売り切れではなく仕入れてないだけ）
あ、あれは義也くんだ！
なにしてるんだろ？
ん、誰か近づいてきた、あれは確か五組の子で琴美さんだっけかな？
・・・え？
琴美さんが義也くんの手を取って歩いてった！
彼女いたんだ、いや！
まだ彼女と決まったわけじゃない！
姉弟かもしれないし！
よし、つけよう
むぅ、楽しそうに歩いてるわね、手はもう握ってないみたいだけど
どこに行くのかしら？
あ、言っとくけどストーカーじゃないわよ！
それにしても、羨ましいなぁ。
あ、ここって私が次に行こうと思ってたゲームショップじゃない！
ゲーム買うのかしら？
あ、アレは私の捜し求めていた『LIFE BREAKER４』じゃない！
義也くんがお金払ってるから義也くんもやってるんだ
え！琴美さんに渡してる！！
まさかプレゼント！？ゲームを！？
良いなぁ私もアレ義也くんにプレゼントして欲しいなぁ・・・帰ろ
私はその日ゲームも買わずに家に帰った
そして、ご飯も食べずにそのままベッドに倒れこんでさっさと寝た、寝れなかったけど。