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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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好きな人と大切な人-4

「そっか、頑張ったじゃん。返事はもちろんOKだろ?」

俺、普通に笑えてるかな‥

『まだ何も聞いてない‥』

「でも相変わらず、仲いいよな。今年は同じクラスだし。」

この空気どうしよう‥‥。

『‥‥俺じゃだめなんだ。サッちゃんは‥‥好きなんだよ‥奏人が‥。』

今、なんておっしゃいましたか?圭佑さん?山田さんが俺を‥‥?

『俺がサッちゃんのためにできることはここまで。この後、どう動くかは奏人次第だ。今日のことを忘れて、佐倉と一緒にいることだってできるし、それで俺とお前の関係に溝ができるわけでもない。
ただ奏人は昔から人の顔色をうかがい過ぎだよ。たまには自分の本音に正直になってみろって。』



ヤメテクレ‥



「圭佑が山田さんのことを好きなのはよくわかった。でも俺は今、優衣が好きなんだ。だから‥」

『‥‥うん、奏人ならそう言うと思ってた。』

「そか‥じゃあ俺、今日はもう帰るな」

『あぁ、今日はありがとな。一つ言っとくけど、俺は奏人のこと好きだから。変な意味じゃないからな!』

「わかってるよ(照)じゃまた明日な!」





圭佑の家から出た後、どこに行くわけでもなくただぶらぶら歩いた。
なんとなく、公園のブランコが目に入った。
誰もいないのにまだ一人で揺れてる。さっきまで誰かがいたって証拠。

《誰か》に縋るようにそのブランコに乗った。
一人でいたらこのまま本当に独りになりそうだった。



モットキツク、ココロニカギヲ‥ニドトアフレナイヨウニ‥。





滲んだ目が何かを捉えた。白い‥なんだろう‥箱?
違う。携帯電話だ。誰のだろう‥。

頬を拭いながら、それを手に取った。
その時、初めて自分が泣いてることに気付いた。
やっぱ俺、めちゃくちゃ気になってるじゃん。
泣くほど好きなんじゃん。

一度それに気付いたら、もう止められない。

そこで誰のかわからない携帯を握り締めながら、泣いた。
嗚咽をもらして、ただ泣いた。


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