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=《蒼閃機甲バルトーク》=
【学園物 恋愛小説】

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=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-9

「ふむ。明日には用意できる。お願いするよ。」
「あの、最後に質問いいですか?」
「構わないよ、何かな?」
「もしかして、内閣の不信任案が可決したのは、ミクロコスモスが一枚噛んでたりしますか?」
「いやぁ…………ははは、君は結構鋭いな。そうだよ、政府との連携を図るため、首相や数名の大臣にはこちら側の人間を送り込む。」
「誰ですか?」
「私だ。」
「!?」
「人数不足だからね。私なら大丈夫だ。」
「あはは…………(権力強すぎだよ!)」
「では、今日からよろしく頼むよ、周防蒼真君。」
「はい、こちらこそ。では、オレは荷造りしてきます。和美や美月にも説明しなきゃいけないし………。」

そう言って、蒼真は後ろを向いた。

「あ、蒼真君。」
「?」
「この基地はできたばかりなんだ。だから、システムのインストールがまだ終わってない。だから、ここ一週間はまともに機能しないはずだ。」
「分かりました。では、情報はこっちで。」
「頼む。」
「では……………。」

蒼真は、再びエレベーターに乗り込み、地上へと上った。

「…………………。」
「………"分からない"事が多過ぎますよ、長官。」

そう言ったのは秋白。

「………ははは、そうかもね。」
「本当は、全て知ってるくせに。」
「全てを教えるにはまだ早過ぎる。ショックな事も多いからね、真実は。彼が、受け入れる準備ができてからだ。」
「…………はい。」
「では、私達は、新しいアストレガシーを見に行こうかな。」


★☆★☆★☆★☆★☆


水無月市役所から出てくる蒼真。
だが、その面持ちは、複雑だった。

『………なぜあのような解答をしたのだ?』

バルが、聞く。

「………バルだって、分かってるでしょ?」
『……………。』
「あの時、確かにオレはバルに乗って戦った。でも、その理由は…………」
『幼なじみの……ためだったな。』
「………うん、だから………。」
『世界のために、戦うという実感が湧かぬか?』
「…………うん。」

蒼真は、一週間前の、あの言葉を思い出す。



"美月は…………オレが守るっ!!"



「……………。」
『だが、やらねばならぬ事は明白だ。』
「うん、分かってる。」
『これは……我らにしかできぬ事、理由などなんでもいい。戦おう。戦えば、それは自然と世界を守る事へと繋がる。』
「大丈夫、オレはやるから。」
『うむ。だが……………』
「え?」
『……………お前のような考えは……嫌いではない。誰かを守るために戦う……………それもよかろう。』
「バルも、誰かのために戦った事、あるの?」
『………………。』

蒼真の右腕の、この古代兵器は、蒼真が家に着くまで、終始無言を貫き通した。


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