=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-8
「そうか…………強いね、君は。」
「いえ……………強くはないです。…………続けてください。」
「………わかった。敵の大元は、古代戦争の片方のリーダーだと思われる。選民思想が強いらしくてね。一週間に復活して、いきなり人類滅亡に乗り出した。」
「………その人?について詳しい事は………。」
「すまない。まだよく分かってないんだ。なにしろ、文献をあまり残さない民族らしくてね。それに、ミクロコスモスを対エンシェント用の組織に組み替えたのは本当に極最近なんだ。」
「そうですか…………。」
「すまない。分かったら必ず君に教えよう。」
「…………はい。」
「次に、アストレガシーについて説明しなければならないね。先程言ったように、アストレガシーは戦争の兵器だった。君にも分かるように、契約者とのシンクロによって戦闘する。」
「その契約者は、現代に…………?」
「いる可能性はある。ただ、アストレガシーの中でもバルは特別でね。バルは君の一族でしか契約できないんだ。」
「じゃぁ父さんが?」
「いや、栄作さんは違うだろう。つまり、君の母親がそうだという事になる。」
蒼真の母親は蒼真が幼い頃に亡くなっていた。
だから、立証はできない。
「母さんが?」
「ふむ。他のアストレガシーは、一族でなくても適合者がいれば契約できる。条件は分からないがね。だから、確実に戦えるのは君しかいないんだ。」
「そうですか。」
「でも安心してくれ、バルのその姿は完全ではない。」
「え?これが完全じゃないんですか?」
「そう。詳しくは分からないが、バルはさらに進化する。時がきたら分かるだろう。」
「そうですか…………。」
「さて、最後に、私からのお願いだ。」
「?」
「これから、我々、ミクロコスモスに協力してほしい。」
「………………。」
「エンシェントにまともに対抗できるのは、アストレガシーしか存在しないんだ。日本を、いや、世界を守ってほしい。」
すると、橘は、上半身を前に折った。
お辞儀をしたのである。
「頼む……………。」
「……………協力はします。でも…………………世界を守れるかは、オレには分かりません。」
「今はそれでいい。ありがとう。」
「いえ……………。で、オレは具体的には何を?」
「まず、エンシェントはあまり危険は侵したくないはずだ。だから、事の始めは、現代の事象に隠れて行う。」
「?」
「つまり、日本の事件を隠れみのにするはずだ。だから、新聞やニュースに出てくるような事件の中に、エンシェント絡みの事件が紛れ混んでいる。」
「では、オレは、」
「ふむ。情報集めをしてくれ。怪しい事件を発見ししだい、調査、当たりだったらエンシェントを退治してほしい。」
「分かりました。」
「基本的に、情報はここで集める。何か分かったら、こちらから連絡しよう。」
「あの…………オレ、携帯とかないんですけど………。」
「あぁ、それくらいはこちらで用意するよ。」
「あと、ここに空き部屋とかありますか?」
「え、あるが………ここに住むのかい?それは願ってもない話だが…………いいのかい?」
「はい。まぁ、和美も巻き込む事になりますが、ここにいたら安全は一応確保されますし、何より、情報が瞬時に手に入りますし、桜さんがいるならバルの整備もできますから。お願いします。」
「分かった。手配しよう。あと、くれぐれも………」
「大丈夫です。バレないようにしますから。もっとも、急な引越しで美月……あ、幼なじみですけど…………、美月には疑われるでしょう。だから美月にはバルの事説明します。」