=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-29
「ちょっ…………!」
急いでそれを追う三人。
破壊された壁からは、日光。
つまり、外部から壁を破壊して、サイシルド捕らえたのだ。
始めは外が見えただけだった。
だが、そこから……………
「キャァァァァァァァァッ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
『む…………ッ!!!』
各々の悲鳴。
壁の穴から、数倍の大きさのサイシルドが、顔を覗かせていた。
手、いや、鎌には………串刺しになったサイシルド。
やがて……………
バリッ………ボリッ………ゴキッ………
食べた。
そんな惨状を見て、蒼真が一言。
「カマキリってさ…………交尾した後、雌が雄の事食べるんだって…………。」
『ふむ…………こやつは……雄であったか。』
「一つ質問していい?」
『…………うむ。』
サイシルド雌が鎌を振り上げた。
蒼真は美月を掴んで一目散にダッシュ!
「なんで雌がこんなにデカいのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
『我に聞くな。』
蒼真の背後が、瓦礫の山と化した。
「バル、お願い!」
『うむ、どこか広い場所へ。』
「うん!」
猛スピードでデパートから出た。
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サイシルド雌によって、デパートは半壊していた。
すぐさま、広い場所を見つけ、着地。
美月をおろし、誰も見ていないか確認。
「……………よし、大丈夫。」
『……………予想できてるとは思うが…………。』
「………うん。これはバルのパーツの一部。だから、バルを出す時は外さなきゃいけないんでしょ?」
『………うむ。』
美月がその様子を見ている。
もう、暴れていない。
「……………。」
蒼真は、美月の方を向くと、バルブレスのタブを戻した。
装甲が、蒼い光となり蒼真から外れ、一つに集まり……………戦闘機、"バル"となった。
蒼真の姿は、生身に戻った。