=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-27
ズンッ!
着地。
すぐさま美月をおろす。
「はぁっ………はぁっ………ちょっ、落ち着いてよ!大丈夫だから!」
「あ……ああ……あんた、誰よ!?」
だいたい予想はついているが、信じられなかった。
だから、あえて聞いた。
「今は説明してる暇ない!来たよ!」
「へっ?」
サイシルドが三階まで飛翔してきた。
「い、いやぁぁぁっ!!」
「ちょっ……怖いのは分かるから引っ付かないで!というかオレも怖い!」
「キャァァァァァァァァッ!!」
「来た!来た来た来た〜!!」
多少強引に美月を引きはがし、サイシルドの襲撃を刀で抑える。
ズズッ
衝撃で少し後ろに下がった。
「っ………すごい力………。」
なんとか押し返し、構える。
『おそらく、こやつが親だ。』
「そうだね、でも、今は大元を絶たなきゃ!」
サイシルドの鎌を避け、美月を掴み、飛翔。
「いやぁっ!いやぁぁっ!」
「だから暴れないでって!」
そこに転がっていたソルジャーの死体から出ているチューブを辿る。
『追ってきてるぞ。』
「分かってる!」
見つけた。
関係者以外立ち入り禁止の場所だ。
「キシャァァァァ…………。」
そこで、ソルジャーだ。
これを絶たれると非常に困るため、守りは堅い。
「しっかりつかまっててよ!」
まだ暴れている美月に言う。
止まっている暇はない。
止まったら追い付かれる。
だから………
「うわぁぁぁぁっ!」
斬ッ!
我流・疾・空・斬ッ!
すれ違い様に斬り捨てた。
「………あれだ!」
目の前に迫ってくるのは…………卵。
何本もチューブが生えている。