=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-26
――あれ…………
――死ぬ直前なら、こんなに長い時間、痛くないはずないよね…………
――じゃぁ………なんで………?
恐る恐る、美月は目を開けた。
蒼い鎧を着た人間が…………自分の前に立っている。
「え………………。」
思わず、美月はそうもらした。
サイシルドの鎌を………刀で抑えていた………。
自分を、守るように………。
「キシャァァァァツ!?」
思わぬ乱入者に驚くサイシルド。
だが、その蒼い人間は、そんな間も許さなかった。
「はぁっ!」
押し返す。
「っ!」
そのまま腹にタックル。
サイシルドがよろける。
そして………
「うわぁっ!!」
蹴り。
サイシルドは吹き飛んだ。
ズザァァ――――――ッ!!
床にたたき付けられ、仰向けのまま滑る、サイシルド。
それを確認すると、蒼い人間は、刀の刃をサイシルドに向け、叫んだ。
「美月に手ぇ出すな…………斬るぞ…………。」
声色から、かなり怒っているのが分かる。
だが………この声は………。
「え…………え…………?」
急激は話の展開に、うろたえる美月。
そんな状態のまま、美月は腰を掴まれた。
「飛ぶよ、つかまって。」
「はぃ?」
蒼い人間は、足に力を込めると………
跳躍!
「キ……キャァァァァァァァァッ!!」
「だ、大丈夫、落とさないから!だから落ち着いて!」
「い、いやぁぁっ!」
ジタバタと美月暴れる。
それでも蒼い人間は離さない。