=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-23
「き……っ!!」
女性の様子から、自らの背後の存在に気付く。
だから柄を握った。
後ろを向かないまま…………
キンッ
キンッ
キンッ
刀は鞘に収まったままだ。
そして、蒼真も、柄を握ったまま………
斬ッ!!!
我流・居合・瞬・風・斬ッ!!
三体は両断のもとに、切り捨てられた。
「ふぅ……もう大丈夫です。」
「え………あ…………。」
蒼真は女性の手を優しく掴み、立ち上がらせた。
「あなたも早く逃げて下さい、ここは、オレが。」
女性は、目の前の蒼い装甲を装着しているのが何者か分からないまま、逃げ出した。
やがて、蒼真は言う。
「すごい………いつもより反応が鋭くなってる。」
『当たり前だ。この装甲はお前の感覚神経、運動神経、脳波にまで影響を与えている。』
「なるほど。」
『………肉体的疲労は常人のままだがな。』
「あはは…………帰ったら動けないのを覚悟しとかなくちゃ。」
『ふむ、だが、動けなくなる前に。』
「うん、これをなんとかしなくちゃね。」
『うむ。』
吹き抜けの広間から上を見る。
二、三階には、ソルジャーの姿がちらほらと。
「いた!」
頭の装甲の両頬の部分から一枚ずつプレートが出てきて、蒼真の口を覆う。
これで完全に人間の肌は見えなくなる。
それを確認すると、蒼真は飛んだ。