=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-21
ドスッ
着地。
綺麗な着地とはいかなかったが。
「はぁっ………はぁっ………はぁっ………はぁっ………!!」
倒れたまま動かないソルジャーを見下ろす美月。
さらに、彼女は、言った。
「負けない!私は生きるんだから!」
そして、美月は、去った。
恋する乙女は、強いのだ。
★☆★☆★☆★☆★☆
「はぁっ………はぁっ………はぁっ………はぁっ………っ!」
全力で自転車をこぎ続ける蒼真。
だが、不運な事に、ミナヅキデパートは蒼真宅から遠い。
だから今だに着けないでいる。
「くそっ…………早くしないと……美月がっ!!」
珍しく悪態をつく蒼真。
一週間前の状況を思い返す。
あの時は………美月を守ってやれなかった………今度こそ………オレが……っ!!!
「っ………美月!!」
『遅い。』
「え………。」
『我の力の一部を貸してやる。使え。』
「ありがとう、でもどうやって!?」
『右腕の後部に取っ手があるだろう。引け。』
「えっと……取っ手、タブか……あった、これか!」
ガシャッ
バルブレスが展開。
――チェンジ、Lightning armor!
すると……………
「う………わ…………っ!!!」
蒼い光が蒼真の体を包む。
そして、光が具現化。
蒼真の頭、体、腕、足、と強化装甲が付いた。
翼状のアンテナのあるヘルメットの装甲から、目に黒いバイザーが降りてくる。
外見からは蒼真だと分からない。
「わっ……な、なにこれ!?」
『我の力の一部とお前を融合させた。跳べ。』
「あ、う、うん!」
蒼真は自転車から跳んだ。
装甲のせいか、跳躍力は数メートルとなっていた。
『主翼展開。』
背中のウィングが開く。
『出力最大、全速前進。』
さらに、バーニアが唸り、火を噴いた。
一気に車など安々追い抜くスピードまで加速。
「す、すごい…………。」
『これでよい、ゆくぞ!』
「うん!」
デパートは………すぐ、そこ………。