=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-15
「み……美月。」
声が裏返る。
「な……何よ。」
こっちも裏返る。
修羅場です。
バルは意識の中で頭を抱えてマス。
「き…………。」
"今日"と言おうとした。
だが、まだ考えはまとまっていない。
だから、言い切る寸前で言い直した。
「き………明日さ………部活の後、ひ、暇?」
「う…………うん。」
「だ、だったらさ……ぶ、部活の後、お、お、屋上に、き、き、来てほしいんだけど…………。」
――――へ?
「ごめん、もう一度。」
「だ、だから、さ…………明日、部活の後、屋上に、来てほしい、んだけど…………。」
「…………………。」
「だ、ダメかな?」
スパァークッ!!!!!!
美月の頭に電撃がほとばしった。
今なら自家発電できますっ!
「あ、あんた、そそそ、それ、マジで言ってんの?」
「? マ、マジだけど……………。」
今の美月の顔は、これはリンゴですっ!と言っても誰も疑わない。
それほどに真っ赤である。
「い、いいわよ!そこまで言うなら行ってあげる!」
「う、うん。お願い。」
とりあえず、落ち着いて状況を把握しようと、美月はフラフラと教室を出て行った。
その後ろ姿を見て蒼真。
「(…………なんで美月、あんなに顔赤いんだ?)」
美月の数時間に及ぶ葛藤を知らない蒼真は思った。
そういえば、朝から美月の様子がおかしい気がする。
やはり、何かあったのだろうか?
と、そこで、
「そっうま〜〜〜〜。」
蒼真の親友、因幡一志が後ろからもたれ掛かってきた。
「うぁっ!か、一志!?」
その顔は、ニヤニヤしている。